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業務連絡は、誰のためにするのか?【不動産売買 仲介営業】

#不動産仲介#営業

不動産売買仲介の営業現場では、

「案内中に必ず連絡を入れろ」
「分からないことがあれば確認しろ」
「勝手に判断するな」
「事前準備をしてから現場に行け」

こういうことを、何度も言われると思います。

新人営業マンからすると、

「また報告か」
「そんなに細かく連絡しないといけないのか」
「忙しい中で連絡するのが面倒だ」
「結局、会社は売上のことしか考えていないのではないか」

そんなふうに感じることもあるかもしれません。

でも、ここで一度立ち止まって考えてほしいんです。

そもそも、業務連絡は何のためにするのか?
誰のために、上司に連絡を入れるのか?

会社のためなのか。
上司のためなのか。
自分が怒られないためなのか。
それとも、お客様のためなのか。

今日はこのテーマについて、不動産売買仲介営業の構造から整理してみたいと思います。


まず、会社は何を最優先しているのか

かなり根本的な話から入ります。

会社における最優先事項とは何でしょうか…?

もちろん、会社によって理念や方針は違います。

・お客様に喜ばれること
・地域に貢献すること
・社員を幸せにすること
・良いサービスを提供すること

こうした考え方も大事です。

ただ、営利企業として考えるなら、避けて通れないものがあります。

それは、利益です。

会社は利益を上げなければ存続できません。

赤字が続けば、給料は払えません。
採用もできません。
広告費も出せません。
店舗も維持できません。
教育にも投資できません。

だから、会社が利益を上げることは、非常に重要です。

これは綺麗事ではありません。

会社はボランティア団体ではありません。
非営利組織でもありません。

営業会社である以上、売上を作り、利益を残す必要があります。

・・・では、その利益はどうやって生まれるのでしょうか。

ものすごく単純に言えば、

売上 − 経費 = 利益

です。

そう考えると、利益を増やす方法は、大きく2つしかありません。

売上を上げるか。
経費を下げるか。

営業マンの役割は、基本的には前者です。

つまり、売上を上げること。

会社が営業マンに期待しているのは、

お客様と向き合い、価値を提供し、その対価として売上を作ることです。

ここまでは、多くの人が理解できると思います。


売上は、どこから生まれるのか

では、その売上はどこから生まれるのでしょうか。

天から降ってくるわけではありません。
会社の中で勝手に生まれるわけでもありません。

不動産仲介営業における売上の源泉は、お客様です。

  1. お客様が家を買う。
  2. お客様が契約する。
  3. お客様が仲介手数料を支払う。

その結果として、会社に売上が入ります。

つまり、会社が利益を上げたいなら、その前に必ず考えなければいけないことがあります。

それは、

お客様の問題を解決すること。
お客様の願望を実現すること。

これに尽きます。

住宅購入を検討されているお客様には、
必ず何かしらの問題や願望があります。

たとえば、

・子どもが大きくなり、今の家が手狭になってきた
・家賃を払い続けるのがもったいない
・親との同居を考えている
・離婚をきっかけに住まいを変えなければいけない
・住宅ローンが通るか不安
・いつかは買いたいと思ってる
・自分に合った良い物件がなかなか見つからない

こうした問題や願望があるから、不動産会社に問い合わせをします。

つまり、お客様は雑談をしに来ているわけではありません。
人生の中でも大きな住まいの問題を解決するために来ている。

そのお客様の問題を解決し、願望を実現するからこそ、会社に売上が生まれます。

ここを間違えてはいけません。

会社が売上を上げるためには、お客様に貢献しなければならない。
売上の前には、必ずお客様の問題解決がある。

これが営業の基本構造です。


「会社は売上のことしか考えていない」は、本当にそうなのか

新人営業マンが現場に出始めると、時々こう感じることがあります。

「会社は早く買わせたいだけなんじゃないか」
「上司は売上のことしか考えていないんじゃないか」
「お客様を急かしているだけなんじゃないか」

もちろん、そう見えてしまう場面があることも分かります。

  • 上司からの指示は端的で短い。
  • 言葉も語気も強い。
  • 細かく話を聞く時間もない。
  • 現場では、詳しい説明が省略される。

そうなると、受け手の営業マンとしては、

「結局、売上のためでしょ?」
「あなたが給料を稼ぎたいから言ってるんでしょ?」
「チームとして売上がないとマズイからでしょ?」

と解釈してしまうことがある。

でも、ここで最初の構造の話に戻ってほしいんです。

仮に会社が売上を追っているとしても、その売上は誰から生まれるのか。

お客様です。


では、お客様が納得していない状態で、無理やり契約させればいいのか。

違います。

そんなことをすれば、クレームになります。
後の紹介も生まれません。
口コミ・評判も悪くなります。
会社の社会的信用も落ちます。
長期的には売上も落ちます。

つまり、本当に売上を上げたいなら、お客様を無視することはできないんです。

お客様の問題解決と願望実現を抜きにして、健全な売上は生まれません。

ここが大事です。

会社の利益と、お客様への貢献は、
本来切り離されたものではありません。

営業という仕事においては、

1)お客様に価値提供する

2)お客様が納得して前に進む

3)契約になる

4)売上が生まれる

5)会社が存続する

6)営業マンの給料にもつながる

この流れです。

だから、営業現場の主語は、常にお客様でなければいけません。


なぜ現場への指示は短くなるのか

ここで、業務連絡の話に入ります。

営業現場では、上司からの指示がかなり端的になることがあります。

「すぐ確認して」
「それは先に伝えて」
「次の案内を取って」
「契約は最短で進めて」
「今日の夜に電話する約束して」

新人からすると、

「なぜそこまで急ぐのか」
「もう少し丁寧に説明してほしい」
「理由まで教えてほしい」

と思うかもしれません。

でも、そんなことの前に、
事実として現場では時間がありません。

  • お客様が目の前にいる。
  • 次の予定がある。
  • 案内時間が限られている。
  • 上司は他の案件を抱えている。
  • お客様の判断タイミングも逃せない。

この状況で、上司が電話だけで毎回1から10まで説明することは現実的に難しいです。

たとえば、今この記事で説明しているような、

  • 会社とは何か。
  • 利益とは何か。
  • 売上はどこから生まれるのか。
  • なぜお客様中心なのか。
  • なぜ業務連絡が必要なのか。

こういう話を、現場の電話一本で全部説明することはできません。

だから、どうしても現場への指示は短くなります。
むしろ、短くならざるを得ないのです。


業務連絡は、野球のサインに近い

業務連絡を理解する上で、野球に例えると分かりやすいかもしれません。

現場で案内中の営業マンは、野球で言えばバッターボックスに立っている状態です。
(野球が分からない人は、すみません)

すなわち、もう試合は始まっています。

お客様と向き合っている。
会話が進んでいる。
物件を見ている。
次の判断が迫っている。

その状況で、上司に連絡を入れる。
これは野球で言えば、バッターボックスに立ち監督からサインを受け取るようなものです。

次はバントなのか。
打てなのか。
待てなのか。
ヒットエンドランなのか。
盗塁なのか。

監督は、バッターボックスに立っている選手に、毎回長々と説明できません。

「なぜ今バントなのか?」
「なぜここで待てなのか?」
「なぜこの場面で走らせるのか?」

それを打席中に全部説明していたら、試合が止まります。
だからサインは、すぐに分かるもので、短い。

でも、その短いサインの背景を理解するためには、
事前のすり合わせが必要です。

  • チームの方針
  • 監督の考え
  • 相手投手の傾向
  • 試合状況
  • ランナーの状態
  • 点差
  • 残りイニング

特にチームの方針や監督の意向、その試合の戦略という前提を共有しているから、短いサインでも迷わず動ける。

営業も同じです。
現場の業務連絡だけで、すべてを理解しようとするのは無理があります。

だからこそ、事前準備(チームの方針・監督の意向・試合の戦略)をし、s利合わせておくことが必要なんです。


事前準備の質が業務連絡の質を決める

不動産売買仲介営業の差は、接客中だけで生まれるわけではありません。

むしろ、接客前から生まれています。

  • どれだけ情報を集めたか。
  • どれだけ仮説を立てたか。
  • どれだけお客様を理解しようとしたか。
  • どれだけ進め方を確認したか。

この差が、接客中の質問の差、深掘りの差、提案の差になります。

事前準備で確認すべきことは、たくさんあります。

たとえば、

・今回のお客様は、どの物件に問い合わせたのか
・なぜその物件に興味を持ったのか
・過去にどんな物件を見ているのか
・どんな条件を重視しているのか
・予算はどこまで確認できているのか
・住宅ローンの話はどこまで進んでいるのか
・家族構成はどうなっているのか
・誰が意思決定者なのか
・次のステップは何を目指すのか
・案内後にどういう状態になっていればいいのか

こうしたことを、事前に確認しておく。
戦略を擦り合わせておく。

これをやってから現場に行くのと、何となく現場に行くのでは、まったく違います。

そして、事前準備ができていれば、業務連絡の中で上司から短い指示が来ても理解しやすい。
逆に事前準備が不足していると、短い指示の意味が分からない。

そして、分からないまま動いてしまう。
これが危ないんです。


分からないまま進めるのが、一番危ない

業務連絡で一番まずいのは、毎回確認することではありません。
その場で分からないことを教えてもらうことではありません。

一番まずいのは、分からないまま進めることです。
身勝手な判断で、誤った方向に気づかずに進めることです。

  • 上司から指示を受けた。
  • でも意味がよく分からない。
  • なぜそれをするのかも分からない。
  • 自分の中で解釈が曖昧。

それなのに、

「まあ、たぶんこういうことだろう」
「聞き返すと怒られそうだな」
「分かっていないと思われたくないな」
「今さら確認するのは恥ずかしいな」

と思って、そのまま進めてしまう。
これが一番危険です。

これは野球で言えば、サインミスです。

本当はバントのサインだったのに、打ってしまう。
本当は待てのサインだったのに、振ってしまう。
本当はスクイズのサインだったのに、見逃してしまう。

その一つのミスで、試合の流れが変わることがあります。

営業でも同じです。

本当は確認すべきことを確認しない。
本当は伝えるべきことを伝えない。
本当は次の提案につなげるべきところで、流してしまう。
本当はお客様の不安を深掘りすべきところで、勝手に解釈して終わる。

その結果、お客様の判断がズレます。
案内の意味が薄くなります。
次につながりません。
契約機会を逃します。

だから、分からないなら確認する。
これは恥ずかしいことではありません。

むしろ、お客様のために必要な行動です。


確認は、自分を守るためではない

ここで大事なのは、確認することの目的です。

分からないことを上司に確認する。
これは、自分が怒られないためではありません。
会社に報告義務があるからでもありません。
上司を安心させるためでもありません。

本質的には、お客様のためです。
お客様の問題を解決1秒でも早く解決し、1秒でも早く願望を実現させるために確認する。

ここを間違えてはいけません。

たとえば、お客様が住宅ローンに不安を持っている。
でも、自分では正確に説明できない。
この状態で、曖昧に答えてしまったらどうなるか。

お客様は誤解するかもしれません。
判断を間違えるかもしれません。
本来進めるはずだった話が止まるかもしれません。

だから、確認する。

物件を案内しているも、まだ決め切らず、次の進め方が分からない。
家族相談の時間を設けるのか、ローンの事前審査を勧めるのか。
ここを曖昧にしたまま帰してしまったらどうなるか。

熱が冷めるかもしれません。
他のお客様に先を越されるかもしれません。
お客様自身も何をすればいいか分からなくなるかもしれません。

だから、確認する。

業務連絡とは、
上司に状況を知らせるだけの作業ではありません。
上司に、「今うまく行ってることをアピールする」ためにするのではありません。
上司に怒られなようにするために、やり過ごすのではありません。

お客様を望むべき未来へ正しく導くために、行うのです。


では、業務連絡では何を伝えるべきか

ここで問題になるのが、伝え方です。

営業現場に立っている時の業務連絡は、許されている時間が限られています。

上司も忙しい。
お客様も待っている。
現場も動いている。

その中で、

「えっと、今こういう感じで……」
「なんかちょっと迷っていて……」
「お客様が微妙な反応で……」
「どうしたらいいですかね……」

という報告では、上司も判断できません。

業務連絡で大事なのは、端的に伝えることです。

最低限、次のようなことを整理して伝える必要があります。

・今どこにいるのか
・誰と話しているのか
・お客様は何に反応しているのか
・何に迷っているのか
・何が分からないのか
・次にどう進めたいのか
・何を確認したいのか

たとえば、

「確認です。今、1件目の案内が終わりました。物件自体はかなり気に入っています。ただ、月々支払いが少し不安そうです。奥様は前向きですが、ご主人がローンに不安を持っています。この後、資金計画の話をして事前審査につなげたいのですが、この進め方で問題ないでしょうか」

こう言われれば、上司もアドバイスできます。

(こちらの記事も合わせて読んでみてください)

逆に、

「なんか気に入ってそうなんですけど、ちょっと不安そうで……どうしたらいいですか」

だけだと、判断材料が足りません。

つまり、業務連絡の質は、営業マンの言語化力にかなり左右されます。


言語化力がないと、お客様を救えない

ここまでを踏まえると、
営業マンに必要なのは、不動産知識でも、話が上手いことだけでもありません。

もっと大事なのは、状況を正しく整理し、相手に伝える力です。

お客様に対してもそうです。
上司に対してもそうです。
日報でもそうです。
案内報告でもそうです。
1日の振り返りでもそうです。

  • 何が起きたのか。
  • なぜそうなったのか。
  • お客様は何に迷っているのか。
  • 自分は何を確認したいのか。
  • 次に何をするべきなのか。

これを言語化できないと、営業は前に進みません。

たとえば、お客様の悩みを聞いても、整理できない。
上司に報告しても、要点が伝わらない。
日報を書いても、何が課題なのか分からない。
振り返っても、次の改善が見えない。

これでは、同じミスを繰り返します。

だから、日頃から自分の頭の中にある言葉を言語化する癖が必要です。

日報を書く。
案内報告を書く。
ロープレを振り返る。
上司に相談する。
先輩に質問する。

これらは、ただの社内作業ではありません。

お客様の問題を正しく把握し、正しく伝え、正しく解決へ導くための、日々の訓練です。


業務連絡の主語は、常にお客様である

ここまでの話をまとめると、業務連絡の意味が見えてきます。

業務連絡は、会社に管理されるためにあるわけではありません。
上司を満足させるためでもありません。
営業マンを縛るためでもありません。

本来は、お客様を正しく前に進めるためにあります。

お客様の問題を解決するため。
お客様の願望を実現するため。
お客様の不安を整理するため。
お客様が判断できる状態を作るため。
お客様が良い物件を逃さないため。

そのために、事前準備をする。
そのために、上司とすり合わせる。
そのために、現場で報告する。
そのために、分からないことを確認する。
そのために、最短最速で動く。

すべての主語は、「お客様」です。

ここがズレると、業務連絡はただの面倒な作業になります。
でも、この前提が噛み合っていれば、業務連絡は住宅購入を希望するお客様を望む未来へ導くための営業活動そのものになります。


最後に

不動産売買仲介営業では、現場に出ると基本的に営業マンは一人です。

上司が横について、すべてを代わりに話してくれるわけではありません。

お客様の前では、あなたが会社の代表です。
だからこそ、勝手な判断は危ない。

分からないことを分からないまま進めることは、お客様にとっても危ない。
そのために業務連絡があります。

ただし!
営業現場で受ける業務連絡の中身は、どうしても端的で短くなります。
上司は、すべての背景や意図を毎回説明してはくれません。

だからこそ、事前準備が必要です。
だからこそ、前提のすり合わせが必要です。
だからこそ、分からないことは確認する必要があります。
だからこそ、伝える力を磨く必要があります。

そして何より大事なのは、

「それは誰のためなのか」

を間違えないことです。

会社のため?
上司のため?
自分が怒られないため?

それもゼロではないかもしれません。
でも、本質はそこではありません。

業務連絡は、お客様のためにするものです。

お客様の問題解決と願望実現を、より正確に、より早く、より安全に進めるためにするものです。

この前提が腹落ちすると、業務連絡の見え方は変わります。

「連絡しなければいけない」

ではなく、

「お客様を前に進めるために、確認する必要がある」

に変わる。この違いは大きいです。

不動産営業は、ただ物件を案内する仕事ではありません。

そして、その先に結果として契約があり、売上があり、会社の利益がある。
順番を間違えてはいけません。

売上の前に、お客様がいる。
業務連絡の前に、お客様がいる。
営業のすべての行動の中心には、常にお客様がいる。

この前提を忘れないこと。

それが、不動産売買仲介営業で現場に立つ上で、まず最初に持っておくべき基本軸なのだと思います。

この記事の著者

関根 祐太

株式会社Re-Branding 代表取締役
不動産 売買仲介営業 専門/研修講師
 
不動産をはじめ10業種以上の営業現場経験を経て、2023年に株式会社Re-Brandingを設立。1on1などを通して社員一人ひとりの本音や課題に向き合い、組織力を強化する支援を行う。離職率40%削減や売上140%向上といった成果を創出。
 
【専門分野】
不動産売買仲介/離職防止と組織力強化/営業プロセス改善
  
「一人ひとりの本音に向き合い、課題の本質を共に探り、解決へ導く」ことを信条に、企業の未来を共に形作るパートナーとして活動中。

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