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2回目以降の案内で、一番最初にやるべきこと。【不動産売買仲介営業】

#不動産仲介#営業

-「前回までのあらすじ」を確認していますか…?

営業という仕事は、「話すこと」よりも「確認すること」の方が重要な場面があります。

その代表例が、2回目以降の物件案内です。

1回目の案内では、お客様のご希望条件や購入理由、家族構成、住宅ローンの状況など、多くのことをヒアリングします。

しかし2回目、3回目の案内になると、多くの営業マンはある勘違いを始めます。

「もうこのお客様のことは分かっている。」

実は、この感覚こそが危険です。

今回は、2回目以降の案内で最初に必ず行ってほしいことについてお話しします。

結論から言えば、

「前回までのあらすじ」を確認すること。

これが、2回目以降の案内で最も重要なスタートになります。


営業マンは、2回目になると安心しがち

例えば、

「前回、ご希望条件は全部聞いた。」
「予算も確認した。」
「住宅ローンの話もした。」
「電話でもやり取りした。」
「メールでも連絡を取っている。」

だから、

「今日は予定通り物件を見に行けばいい。」

そう考えてしまう営業マンは少なくありません。
もちろん、その考え自体は間違いではありません。

しかし、一つだけ大きな落とし穴があります。

それは、

営業マンが知っている情報は、あくまでも”前回会った時点”の情報でしかない。

ということです。


お客様は、営業マンと会っていない時間も家探しをしている

ここを一度考えてみてください。

例えば先週、お客様をご案内しました。
そして次回の案内予定は、1週間後だったとします。

この1週間の間、営業マンとのやり取りは、

・日程確認
・ショートメール
・メール
・電話

せいぜい、数回でしょう。

では、その数回のやり取り以外、お客様は家探しことを何も考えていないのでしょうか?

もちろん違います。
営業マンと接点がない時間も、お客様の家探しは続いています。

例えば、
仕事終わりに夫婦で話し合っているかもしれません。

「やっぱりもう少し駅に近い方がいいかな。」
「子どもの学校を考えると、エリアを変えた方がいいかもしれない。」

そんな会話をしているかもしれません。
休日には、ご両親へ相談しているかもしれません。

「援助できる金額だけど、ちょっと見直したい。」
「もう少し慎重に考えた方がいいんじゃない?」

そんな話になっている可能性もあります。

  • 職場の先輩に相談しているかもしれません。
  • 友人に住宅ローンの話を聞いているかもしれません。
  • YouTubeで住宅購入について調べているかもしれません。
  • Instagramで施工事例を見ているかもしれません。
  • 最近であれば、AIに相談しているお客様も珍しくありません。

つまり、お客様は営業マンと会っていない時間にも、新しい情報を得続けています。

そして情報が増えれば、人の考えは変わります。


営業マンが見ている時間は、家探し全体のほんの一部

ここは営業マンが勘違いしやすいポイントです。

営業マンは、

「この1週間、お客様と何度か連絡を取った。」

と思っています。
でも、お客様から見れば違います。

家探しという長い意思決定の中で、
営業マンと話している時間は、本当にごくわずかです。

例えば、
1週間で営業マンと電話した時間が15分。
メールのやり取りが数分。
現地案内が2時間。

合わせても2〜3時間程度でしょう。

しかし、その1週間は168時間あります。
つまり、お客様は160時間以上、営業マンが見えていない時間を過ごしています。

その時間の中で、

考え方も、
価値観も、
購入への気持ちも、

少しずつ変化している可能性があります。

営業マンは、その変化を知らないまま案内へ向かおうとしているのです。


「3日前」と「今日」では、前提条件が変わっているかもしれない

例えば、こんなケースを想像してみてください。

次回案内の3日前、営業マンはお客様と電話をしました。
その時、お客様はこんなことを言いました。

「今回見る物件が良ければ、購入まで考えています。」

営業マンは当然、

「よし、この物件が本命なんだ!」

と思います。

そして当日を迎えます。
しかし、その3日間で何も変わっていないと言い切れるでしょうか・・・?

そんなことはありません。

お客様は、その3日間も生活しています。
家族とも話します。
ネットも見ます。
新しい情報も入ります。

場合によっては、たった一つの出来事で家探しの前提が大きく変わることもあります。

営業マンは3日前のお客様を知っています。
でも、今日のお客様は、もう3日前のお客様ではありません。

だからこそ、
営業マンが最初に確認しなければならないことがあります。

それが、

「前回から今日までの間に、何か変化はありましたか?」

という確認なのです。


2回目以降の案内は、「物件を見る日」ではない

ここを勘違いしてはいけません。

2回目以降の案内だからといって、
最初から物件の話を始める必要はありません。

むしろ最初にやるべきことは、
今日見る物件の説明ではなく、

お客様の現在地を確認することです。

例えば、

・「前回ご案内してから少し時間が空きましたが、その後何かお考えに変化はありましたか?」
・「ご家族とお話しされて、何か新しく気になったことはありますか?」
・「この数日で、ネットなどをご覧になって気になった物件はありましたか?」
・「逆に、前回見た物件について改めて思ったことなどはありましたか?」

こうした確認をすることで、

営業マンは初めて、

“今日のお客様”

を理解できます。

3日前のお客様でも、
1週間前のお客様でもありません。

今、この場にいるお客様の考えを確認すること。

それが、2回目以降の案内のスタートラインなのです。


前提条件を確認しないまま案内すると、何が起こるのか

では、なぜここまで「前提条件の確認」が重要なのでしょうか。

それは、営業マンとお客様の認識がズレたまま案内が始まってしまうからです。

先ほどのケースを考えてみてください。
3日前、お客様と電話でお話をしました。

その時、お客様は、

「今回の物件が良ければ購入まで考えています。」

そう話していました。

営業マンとしては当然、

「この物件が本命なんだな。」

と思いがちです。

そして当日。
営業マンは「今日決まるかもしれない」という気持ちで案内をスタートします。

ところが、営業マンが知らないところで、お客様にはある変化が起きていました。

例えば、物件見学の前日の夜。
ご両親から一本の連絡がお客様の元に入ります。

「もしかしたら、明後日、お父さん手術するかもしれない。検査で腫瘍が見つかったのよ。お家買う時のお金、出せないかもしれないわ。」

営業マンはこの事実を知りません。

お客様も、

「わざわざ昨日の夜に営業マンへ話すほどでもない。」

と思っているかもしれません。

しかし、お客様の中では大きな変化です。

もしも、お父様が入院・手術となれば
購入予定資金の送金がなくなる可能性があります。
そうすると、住宅ローンの組み方も、資金計画も、
そもそも購入タイミングも、すべて変わってきます。

それなのに営業マンは、
3日前の情報だけを信じて案内を始めてしまう。

当然、その後の会話は噛み合わなくなります。


変わったのは「気持ち」ではなく、「前提条件」

ここで勘違いしてはいけません。

このような事象が起こると、営業マンはよく、

「お客様の購入に対する気持ちが変わった。」

などと表現します。
もちろん、それも間違いではありません。

しかし、もっと正確に言えば、

変わったのは”前提条件”です。

例えば、

・親からの援助額が受けられなくなった
・転勤の可能性が急に出てきた
・子どもの進学の話が出た
・住宅ローンについて新しい情報を知った
・友人から中古住宅の話を聞いた
・AIに相談したら別の考え方を知った
・ネットで違うエリアを見つけた

このように、お客様の気持ちだけではなく、
判断材料そのものが、たった数日、数時間の間に変わっている可能性があります。

つまり、

営業マンが確認しなければいけないのは、

「気持ちは変わりましたか?」

ではありません。

「前回から今日までの間に、何か変化はありましたか?」
「ご状況が変わったり、お話し合いで確認したいことが増えたりなどはありましたか?」
「前回のお電話で伺っていたご希望にお変わりありませんか?」

という、確認なのです。


案内の目的そのものが変わることもある

さらに言えば、

前提条件が変われば、
今日見る物件の意味そのものが変わることもあります。

例えば、今日は

「購入前提で物件の最終確認する案内」

の予定だったとします。

しかし、

  • 親からの援助額が減った。
  • 勤務先の状況が変わった。
  • 実は他に気になる物件を見つけた。

このような変化があれば、

今日の案内は「最終確認」ではなく、

「条件を整理し直すための案内」

になるかもしれません。

それなのに営業マンだけが、

「今日は決める日だ!」

と思って案内を進めてしまえば、
当然、お客様との温度差が生まれます。

営業マンは、

「なぜ急に慎重になったんだろう…?この前の電話でもあんなにノリノリだったのに…。」

と思う。

一方のお客様は、

「この営業マン、今の状況を分かってくれていないな。」
「前と今では、ちょっと状況が違うんだなぁ〜。」

と感じてしまいます。

このズレは、

営業力で埋められるものではありません。
案内が悪かったわけでもありません。
説明不足だったわけでもありません。

最初の確認不足だっただけなのです。


引き継ぎ案件では、さらに重要になる

この考え方は、「先輩や同僚から引き継いだ案件」では、さらに重要になります。

例えば、

1回目の案内は先輩が担当し、
2回目から自分が担当するとします。

もちろん社内では、引き継ぎがあります。

例えば、

・希望エリア
・ご予算
・ご家族構成
・検討状況
・今回見る物件

こうした情報は共有されるでしょう。

しかし、それだけでは足りません。

なぜなら、社内で共有される情報と、
お客様が今考えていることは、

必ずしも一致しているとは限らないからです。


社内共有では見えないものがある

例えば先輩は、

「このお客様はリビングの広さを気にしていました。」

と引き継いだとします。

しかし実際には、
案内が終わって家へ帰ってから、

お客様夫婦でこんな会話をしているかもしれません。

「やっぱり駅から遠いのは大変そうだよね。」
「子どもが大きくなったら学区も気になるね。」
「思ったより中古でもいいかもしれない。」

こうした変化は、
社内の引き継ぎ資料には書かれていません。

だからこそ、
営業マンは必ずお客様本人へ確認しなければいけないのです。


引き継ぎ案件で必ず行う確認

私であれば、
最初にご挨拶のあと、このようにお話しします。

「本日は前任の佐藤から引き継いでご案内させていただきます。」

そして、

「佐藤からは、ご希望エリアやご予算、今回のご案内の目的について、このように伺っております。」

ここまでは社内情報です。
そのあと必ず確認します。

「一応そのように引き継ぎを受けておりますが、ご認識お間違いないでしょうか?」

さらに、

「前回ご案内から少し時間も空いておりますが、この間に何かお考えが変わったことなどございましたか?」

この二つを確認します。

つまり、

社内で聞いている情報と、お客様が今考えている情報にズレはないか。

ここを合わせてから案内を始めるのです。


ズレが見つかったら、まず案内を止める

もしここで、
認識のズレが見つかったらどうするか。

答えはシンプルです。

すぐに物件を見に行かないこと。
もしくは、案内の進め方を変更することです。

例えば、

・予算が変わっていた
・希望エリアが変わっていた
・購入時期が変わっていた
・親御さんの意見が変わっていた
・住宅ローンの考え方が変わっていた

このような場合は、まず認識を整理します。

どこまでが以前の情報で、
どこからが新しい情報なのか。

今日の案内の目的は何なのか。

必要であれば、
見る物件を変更することもあります。
案内の方向性を変えることもあります。

それでいいのです。

前提条件がズレたまま3件案内するより、
最初の15分で認識を合わせた方が、
その後の2時間は何倍も有意義になります。


「確認」は遠回りではなく、一番の近道

新人営業マンほど、

「早く物件を見せなきゃ。」

と思いがちです。

しかし実際は違います。

最初の5分、10分で前提条件を確認することが、
一番の近道になります。

前提条件が揃えば、
営業マンは安心して提案できます。

お客様も、

「ちゃんと今の状況を理解してくれている。」

という安心感を持って案内を受けられます。

逆に、この確認を省略すると、
案内中に少しずつ違和感が積み重なります。

営業マンは気付かない。
お客様だけが違和感を抱く。

この状態が、結果的に営業マンに対する不信感につながってしまうのです。


まとめ

2回目以降の案内では、営業マンはつい、

「前回こうだったから。」

という情報だけで案内を始めてしまいます。

しかし、お客様は営業マンと会っていない時間も、家探しを続けています。

家族と話し合い、ネットで情報を集め、
友人へ相談し、AIに質問し、

新しい情報に触れています。

つまり、営業マンが知っている情報は、
もう“過去”になっているかもしれないのです。

だからこそ、です。

そして、
お客様と営業マンの前提条件を揃えたうえで案内を進める。

引き継ぎ案件であれば、
社内で共有された情報と、
お客様本人の認識が一致しているかを必ず確認する。

営業とは、物件を案内する仕事ではありません。

お客様と認識を揃えながら、意思決定を支援する仕事です。

2回目以降の案内では、その姿勢が営業全体の質を大きく左右します。

この記事の著者

関根 祐太

株式会社Re-Branding 代表取締役
不動産 売買仲介営業 専門/研修講師
 
不動産をはじめ10業種以上の営業現場経験を経て、2023年に株式会社Re-Brandingを設立。1on1などを通して社員一人ひとりの本音や課題に向き合い、組織力を強化する支援を行う。離職率40%削減や売上140%向上といった成果を創出。
 
【専門分野】
不動産売買仲介/離職防止と組織力強化/営業プロセス改善
  
「一人ひとりの本音に向き合い、課題の本質を共に探り、解決へ導く」ことを信条に、企業の未来を共に形作るパートナーとして活動中。

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