「1週間待つこと」が、本当にお客様を大切にすることなのか・・・
不動産売買仲介の営業をしていると、必ず考えなければいけないテーマがあります。
それは、
「お客様のため」とは何か。
ということです。
営業マンであれば、誰しもお客様を大切にしたいと思うはずです。
- お客様の気持ちを尊重したい。
- お客様に後悔してほしくない。
- 無理に契約を迫るような営業はしたくない。
- お客様が納得した上で、安心して家を買ってほしい。
特に、真面目で、誠実で、正義感が強く、お客様思いの営業マンほど、そう考えると思います。
それ自体は、とても大切な感覚です。
むしろ、不動産売買仲介という仕事をする上で、お客様を大切に思えない営業マンは、長く信頼される営業マンにはなれないでしょう。
ただし、ここで一度考えてほしいことがあります。
一般的な意味での「お客様を大切にすること」と、
不動産売買仲介のプロとして「本当の意味でお客様を大切にすること」
これは、必ずしも同じではありません。
- お客様の言葉をそのまま受け入れること。
- お客様の希望をそのまま尊重すること。
- お客様が「考えたい」と言ったら、そのまま待つこと。
一見すると、それはお客様思いに見えます。
でも、不動産売買仲介の現場では、それが本当にお客様のためになっているとは限りません。
今回は、このかなり重要なテーマについて整理していきます。
ある新人営業マンの話
ある営業マンがいました。まだ新人の頃です。
お客様をご案内している中で、非常に気に入った物件が出てきました。
そのお客様は、もともと2年、3年と長く物件を探してきた方でした。
いろいろな物件を見てきた。
条件も整理してきた。
予算も考えてきた。
エリアも見てきた。
その上で、その営業マンと出会い、3回目の案内でようやく、
「これしかないかもしれない」
と思える物件に出会った。
営業マンとしても、お客様の反応を見ていて、
「この物件はかなり合っているな」
と感じていました。
お客様自身も、
「この物件が一番良いと思います」
「ここで進めたい気持ちはあります」
という状態です。
ここまで来れば、営業マンとしては当然、
「では、購入申込を出しましょう!」
という話になります。
ところが、お客様は最後にこう言いました。
「この物件で進めたい気持ちはあります。
ただ、本当にこの物件で後悔しないか、自分の中でしっかり腹落ちさせたいんです。
1週間だけ時間をください。
1週間考えられれば、気持ちを固めて契約できます。」
この言葉を聞いたとき、あなたならどうするでしょうか。
お客様の気持ちは、よく分かる
まず、お客様の気持ちはとても自然です。
家は人生で一番大きな買い物と言われます。
- 数千万円の住宅ローンを組む。
- 何十年も住むかもしれない。
- 家族の暮らしも変わる。
- 将来の支払いも変わる。
そう考えれば、
- 「本当にこの物件でいいのか」
- 「後悔しないか」
- 「もう少し考えたい」
と思うのは、何も不思議なことではありません。
むしろ普通です。
だから営業マンとしては、お客様のお気持ちを最大限に考慮して
「分かりました。では1週間後に契約しましょう」
と言いたくなる。
- お客様の気持ちを尊重したい。
- 無理に急かしたくない。
- お客様が納得してから進んでほしい。
そう思うのは、営業マンとして自然な感情です。
特に、お客様思いの営業マンほど、ここでお客様の希望をそのまま受け入れようとします。
しかし会社は、こう言う
一方で、会社や上司からはこう言われます。
「買う意思があるなら、契約日は最短で決めなさい。」
「なぜ1週間も空ける必要があるのか。」
「お客様が仕事終わりに時間を取れるなら、その日で契約できないのか。」
「本当に休みは取れないのか。」
「なぜ最短で進めようとしなかったのか。」
新人営業マンはここで悩みます。
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お客様は1週間欲しいと言っている。
でも会社は最短で契約へ進めろと言っている。
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このとき、こう感じる営業マンがいます。
- 「会社は売上のことしか考えていない」
- 「お客様の気持ちを大切にしていない」
- 「自分はそんな営業をしたいわけじゃない」
- 「お客様のためを思うなら、1週間待つべきではないか」
この気持ちは分かります。
私も、この心理はとても自然だと思います。
むしろ、お客様を大切に思っているからこそ出てくる葛藤です。
ただ、ここで止まってはいけません。
考えるべきことは、
本当に会社や上司は、ただ売上のためだけに最短契約を求めているのか?
ということです。
「会社都合」と決めつける前に考えてほしい
もちろん世の中には、売上至上主義の会社もあるかもしれません。
お客様の気持ちを無視して、契約だけを取りに行く会社。
言いくるめるように契約させる会社。
営業マンにとにかく数字だけを求める会社。
そういう会社が一切ないとは言いません。
ただ、少なくとも私が関わってきた会社で、本当の意味でお客様を無視して契約だけを取りに行くような会社には出会っていません。
そして、そういう会社とは、私は仕事をしたくありません。
だからこそ、ここで冷静に考えてほしいのです。
上司が、
「最短で契約へ進めろ」
と言うとき、その言葉の奥には何があるのか。
その一言を、ただ
「会社が、上司が、売上を上げたいだけだろ」
と受け取っていないだろうか?
「会社はお客様のことを考えていない」
と決めつけていないだろうか?
あなたに指示を出している上司や先輩は、少なくともあなたよりも多くの現場を見ています。
数十件、数百件、場合によっては数千件のお客様の、住宅購入の意思決定を見てきています。
その中で、
「時間を空けることで、結局、お客様が買えなくなる」
「本当に気に入っていた物件を逃して後悔する」
「考えると言っても、実際には不安が膨らむだけで決断できなくなる」
そういう場面を何度も見てきている可能性があります。
だから、
「最短で契約へ進めろ」
と言っているのかもしれません。
不動産は、世界に一つしかない
まず大前提として、不動産には大きな他の商品やサービスと異なる特徴があります。
それは、
同じ物件が二つ存在しない
ということです。
同じマンションの隣の部屋でも、
階数が違う。
向きが違う。
陽当たりが違う。
眺望が違う。
室内の使用感が違う。
リフォーム状況が違う。
売主様の事情も違う。
つまり、不動産は基本的に唯一無二です。
気に入った物件があり、他のお客様が先に申し込んだら、その物件はもう手に入らない可能性があります。
「また同じような物件が出るだろう」
と思っても、完全に同じ物件は出ません。
だから、不動産売買仲介の現場では、意思決定のスピードが非常に重要になります。
- この1週間の間に、他のお客様が申し込むかもしれない。
- 売主様が別の買主を選ぶかもしれない。
- 条件の良い申し込みが入るかもしれない。
そうなれば、お客様はその物件を買えなくなります。
これは営業側の都合ではありません。
不動産という商品の特性です。
1週間待った結果、何が起こるのか
お客様は、
「1週間考えれば気持ちが固まる」
と言います。
でも、本当にそうでしょうか?
もちろん、1週間考えることで気持ちが整理される人もいるでしょう。
しかし営業現場では、必ずしもそうならないケースが多くあります。
むしろ、時間が空くことで不安が増えることがあります。
最初は、
「この物件が良い」
と思っていた。でも
- 家に帰って考える
- ネットで調べる
- 家族と話す
- 友人に聞く
- YouTubeを見る
- AIに相談する
すると、お客様の中で処理する情報が増えます。
情報が増えると、判断材料が増えます。
判断材料が増えると、人は冷静に整理できることもありますが、逆に迷いが深くなることもあります。
「やっぱりもう少し安い方がいいのか」
「このエリアで本当にいいのか」
「今買うべきなのか」
「ローンを組んで大丈夫なのか」
「将来売ることになったらどうするのか」
こうして不安が膨らんでいく。
そして1週間後、
「やっぱり今回はやめておきます」
となる。
その結果、お客様はまた1から物件探しを始める。
そしてまた迷う。
1ヶ月後も迷う。
半年後も迷う。
1年後もまだ買えていない。
こういうことは、現場では普通に起こっています。
購入意欲は、時間と共に下がることが多い
営業の世界ではよく言われることですが、お客様の購入意欲は、ピークを迎えた瞬間から徐々に下がっていくことがあります。
もちろん全員ではありません。
ただ、多くの場合、
「買いたい」
と思った瞬間の熱量が、そのまま1週間維持されるわけではありません。
人間はそんなに強くありません。
決断には不安が伴います。
特に不動産購入のように大きな決断であれば、なおさらです。
時間が空けば空くほど、不安が増えます。
迷いが増えます。
周囲からいろいろな意見が入ります。
ネットの情報に振り回されます。
そして最後には、
「やっぱりもう少し考えます」
となる。
これは、お客様が悪いわけではありません。
人間の心理として自然です。
だからこそ、営業マンという存在が必要なのです!
お客様は一人では決断できないことが多い
ここを営業マンは理解しなければいけません。
お客様は、家を買いたいと思っています。
でも一人では決められない。
なぜなら、“不安”があるからです。
“整理できていないこと”があるからです。
自分の中で”折り合いがついていないこと”があるからです。
その不安や迷いを整理するのが、営業マンの役割です。
もし、お客様がすべて自分一人で整理できるのであれば、営業マンはいりません。
AIとポータルサイトと電子契約だけで、家の購入は成立するはずです。
でも、現実はそうなっていません。
なぜか?
不動産購入は、情報だけで決められるものではないからです。
お客様の人生、家族、将来、仕事、お金、親、子ども、老後。
いろいろな要素が絡みます。
その複雑な問題を一緒に整理し、意思決定を支える存在として営業マンがいるのです。
「考えたい」の奥にあるものを見に行く
お客様が、
「1週間考えたい」
と言ったとします。
そのとき営業マンがやるべきことは、
「分かりました」
とそのまま受け入れることではありません。
まず確認すべきです。
「この1週間で、具体的にどの部分を検討されたいですか?」
「何かまだ腹落ちしていないポイントがありますか?」
「ご不安な点は、どのあたりでしょうか?」
「ご家族に相談したい内容は、具体的にどの部分ですか?」
「今この場で整理できることがあれば、一緒に確認しませんか?」
これを聞く必要があります。
なぜなら、
「考えたい」という言葉の中には、必ず背景があるからです。
本当に必要なのは1週間という時間ではなく、
その時間を欲しがっている理由の整理です。
1週間が必要なのではなく、整理が必要なのかもしれない
お客様は、
「1週間考えたい」
と言っています。
でも本当は、
1週間という時間が必要なのではないかもしれません。
必要なのは、
- 住宅ローンの不安を整理すること
- 親への説明材料を整えること
- 将来売却になった場合の見通しを知ること
- 今買う理由を確認すること
- その物件を選ぶ理由を言語化すること
- 何を諦め、何を優先するのかを整理すること
かもしれません。
それなら、営業マンが一緒に整理すべきです。
それをしないまま、
「では1週間考えてください」
と手放すことは、本当にお客様のためなのでしょうか?
私は、そうは思いません。
実際にあったお客様の悩み
先ほどの例に戻ります。
そのお客様は、単身で家を探していました。
年齢は40歳前後。
以前から自分の家を持ちたいという思いがありました。
ただ、実家が電車で1時間ほどの距離にありました。
そして、そのお客様には大きな悩みがありました。
将来、親の介護が必要になったとき、自分が実家に戻る可能性がある。
兄弟はすでに独立していて、それぞれ家庭も家もある。
もし親の面倒を見ることになれば、自分しかいない。
そう考えていました。
一方で、自分自身には、
「自分の家を持ちたい」
という夢がある。
長年働いてきた。
自分の城がほしい。
自分の生活を整えたい。
その気持ちもある。
でも、
もし将来実家に戻ることになったら、
せっかく買った家を手放すかもしれない。
実家から今の職場までは遠く、通勤に2時間以上かかる。
そうなると、仕事も変えなければいけないかもしれない。
1)親を大切にしたい。
2)でも自分の人生も大切にしたい。
3)仕事も簡単には手放したくない。
4)自分の城も欲しい。
これらの気持ちが、お客様の中で折り合っていなかったのです。
3年悩んだことが、1週間で解決するのか
このお客様は、3年から5年ほど家を買うかどうか悩んできました。
いろいろな物件を見てきた。
考えてきた。
迷ってきた。
その結果、ようやく
「この物件なら」
と思える物件に出会った。
しかし最後に、
「1週間考えたい」
と言った。
ここで冷静に考えてほしいのです。
3年、5年悩んできた問題が、本当に1週間一人で考えることで解決するのでしょうか。
- 親の介護や仕事
- 自分の家を持ちたいという夢
- 将来売却する可能性
- 資産性
- 通勤や転職
- 家族への思い
これらの問題が、お客様一人で1週間考えれば、急に整理されるのでしょうか。
おそらく、そう簡単ではありません。
だからこそ、営業マンが一緒に整理する必要があります。
営業マンが向き合うべき問い
このお客様に対して、営業マンが本当に向き合うべきだったのは、
「1週間待つかどうか」
ではありません。
本当に向き合うべきだったのは、
- 親御様に介護が必要になった場合、どのような選択肢があるのか
- その場合、購入した家を売却する可能性はあるのか
- 売却する場合、どのくらいの価格で売れる可能性があるのか
- 売却時の手続きや負担はどの程度なのか
- 賃貸に出すという選択肢はあるのか
- 実家から今の職場に通う現実性はあるのか
- 転職する可能性をどう考えるのか
- 親の介護をしない選択肢はあるのか
- 自分の家を持ちたいという夢をどこまで大切にするのか
こうした問いです。
これは重い話です。
簡単に答えが出る話ではありません。
でも、お客様が本当に悩んでいるのはここです。
だからこそ、営業マンはここに向き合わなければいけない。
これが、本当の意味でお客様を大切にすることではないでしょうか。
「待つこと」が優しさとは限らない
お客様が
「考えたい」
と言ったとき、
そのまま待つことは一見優しく見えます。
でも、本当にそうでしょうか。
お客様が一人で考えても整理できない問題を抱えている。
3年も5年も悩み続けてきた。
その状態で、
「では1週間考えてください」
と手放すこと。
これは本当に優しさでしょうか。
私は違うと思います。
本当にお客様を大切にするなら、
- その1週間で何を考えるのか?
- 何が不安なのか?
- どこが腹落ちしていないのか?
- どの選択肢で迷っているのか?
そこに一緒に向き合うべきです。
お客様の意思を尊重することと、放置することは違う
ここは非常に大事です。
お客様の意思を尊重することは大切です。
しかし、
お客様の言葉をそのまま受け入れて、何も深掘りしないことは、
尊重ではありません。
それは、ただの放置です。
お客様が
「1週間考えたい」
と言った。
だから何も聞かずに1週間空ける。
これは一見、お客様を大切にしているように見えます。
でも実際には、
お客様が何に悩んでいるのか。
何が解消されれば前に進めるのか。
何が不安なのか。
そこを見に行っていません。
それでは、営業マンとしての存在価値がありません。
会社が最短契約を求める理由
会社が最短で契約を進めるように言うのは、単に売上が欲しいからだけではありません。
もちろん会社ですから、営利団体ですから、売上は大切です。
営業会社である以上、契約がなければ会社は成り立ちません。
でも、それだけではありません。
最短で契約へ進めることが、お客様にとっても必要な場面があるからです。
・気に入った物件を逃さないため
・購入意欲が下がる前に、不安を整理して前に進めるため
・お客様がまた1年、2年と迷い続ける未来を防ぐため
・せっかく出会った物件とのご縁を結ぶため
こうした理由もあります。
だから、会社や上司が
「最短で進めろ」
と言うのです。
その言葉の奥には、多くの現場経験があります。
売上は、お客様の問題解決の対価である
営業マンはここを間違えてはいけません。
契約を取ること。
売上を上げること。
これ自体を悪いことのように捉えてしまう人がいます。
でも本来、売上とは、
お客様の問題解決と願望実現の対価として受け取るもの
です。
お客様が抱えている問題を整理した。
不安を解消した。
本当に欲しかった暮らしに近づけた。
その結果として契約があり、会社に売上が入り、営業マンにも報酬が入る。
これが本来の営業です。
お客様を言いくるめて契約するのではありません。
お客様をねじ伏せて契約するのでもありません。
お客様の問題解決と願望実現を支援した結果として、契約が生まれるのです。
だから、最短で契約に進めること自体を悪く捉える必要はありません。
その契約が本当にお客様の問題解決に繋がっているかどうかです。
お客様の問題が解決する手段が今目の前にあるなら、お客様は話を前に進めたいはずです。
本当の意味でお客様を大切にするとは
ここまで記してきた通り、本当の意味でお客様を大切にするとは、
お客様の言葉をそのまま受け入れることではありません。
お客様の奥にある、
- 不安
- 迷い
- 願望
- 矛盾
- 葛藤
- 決断できない理由
に向き合うことです。
「1週間考えたい」
という言葉の奥に何があるのか。
「まだ不安です」
という言葉の正体は何か。
「もう少し見たいです」
の背景には何があるのか。
そこを一緒に整理することです。
それをせずに、
「お客様のために待ちます」
と言うのは、少し違います。
それは、お客様を大切にしているようで、実はお客様の意思決定から逃げているだけかもしれません。
もし何も話してくれないなら、それも課題
もし営業マンが、
「1週間で何を考えたいですか?」
と聞いたとします。
するとお客様が、
「いや、特に何かあるわけではないんですけど、とりあえず考えたいんです」
と言った。
この場合、どう考えるべきでしょうか。
もちろん、無理やり聞き出す必要はありません。
ただし、営業マンとしては一つ考えなければいけません。
それは、
お客様が本当の不安を話せるだけの信頼関係を築けているのか
ということです。
- 本当は不安がある
- でも営業マンには言えない
- 本音を出せない
- 相談する相手として見られていない
もしそうなら、それは営業マン側の課題です。
お客様が話してくれないことを、
「お客様が考えたいと言っているから」
で終わらせてはいけません。
営業マンは、お客様の未来に責任を持つ仕事
不動産営業は、物件を紹介するだけの仕事ではありません。
お客様の意思決定を支える仕事です。
そして、その意思決定は、お客様の人生に大きく関わります。
だからこそ、営業マンは目の前のお客様の未来に対して、真剣に向き合わなければいけません。
「待ってほしい」と言われたから待つ。
「考えたい」と言われたから考えさせる。
それだけでは足りません。
その時間で何が解決されるのか
何が整理されるのか
何を確認すれば前に進めるのか
そこまで一緒に考える必要があります。
最後に
「お客様のため」とは何か。
これは、不動産営業マンにとって非常に難しいテーマです。
お客様の気持ちを尊重することは大切です。
無理に契約を迫ることは違います。
言いくるめることも違います。
でも同時に、
お客様の言葉をそのまま受け入れて、何も深掘りしないことも違います。
「1週間考えたい」
と言われたとき、
本当に大切なのは、1週間待つことではありません。
その1週間で何を考えるのか。
何が不安なのか。
何が腹落ちしていないのか。
何が整理されれば前に進めるのか。
そこに一緒に向き合うことです。
不動産は世界に一つしかありません。
気に入った物件とのご縁は、いつまでも待ってくれるわけではありません。
そしてお客様の購入意欲も、時間とともに下がっていくことがあります。
だからこそ、営業マンはお客様を急かすのではなく、
お客様が決断できない理由を一緒に整理する。
これが必要です。
会社や上司が最短契約を求める背景には、単なる売上だけではなく、そうした現場の積み重ねがあります。
もちろん、説明不足な上司もいるでしょう。
言葉が足りない会社もあるでしょう。
でも、その一言をただ
「会社都合」
「売上至上主義」
と決めつける前に、
なぜその指示があるのかを考えてほしい。
お客様の問題解決と願望実現を支援した結果として契約が生まれる。
その契約の対価として売上が生まれる。
これが、本来の営業です。
本当の意味でお客様を大切にするとは、
お客様の言葉にただ従うことではありません。
お客様が一人では整理できない問題に、一緒に向き合うことです。
そして、後悔しない意思決定へ導くことです。
それが、不動産売買仲介のプロとしての営業マンの役割なのだと思います。
