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売れない営業マンほど細かい条件に振り回される

#セールス#不動産仲介#営業

不動産売買仲介営業をしていると、
案内中にお客様から細かい懸念が出てくることがあります。

例えば、

「目の前の空き家が気持ち悪い」
「窓を開けたら音がうるさい」
「この壁が邪魔だな」

こういう言葉です。

営業マンとしては、当然気になります。
お客様が気にしているなら、何とか解消してあげたい。

この物件を気に入ってもらうために、
何とか前向きに捉えてもらいたい。

そう思うのは自然です。

ただ、
ここで新人営業マンがよくハマる落とし穴があります。

それは、

お客様の細かい不満に引っ張られすぎて、
物件選びの本質を見失ってしまうこと

です。


細かい不満は、必ず出てくる

まず前提として、
どんな物件でもお客様は何かしら気にします。

完璧な物件など、基本的にはないと思った方が良い。
特に中古物件であればなおさらです。

建物の古さ、隣地の雰囲気、道路の狭さ、
日当たり、窓からの見え方、部屋の圧迫感。

気にしようと思えば、いくらでも気になるところは出てきます。

実際、私自身も不動産仲介の営業で
過去にこういう経験があります。

  • 物件全体としてはかなり良い。
  • 予算も合っている。
  • 間取りも良い。
  • エリアも悪くない。
  • リフォームすれば十分住めそう。
  • お客様もかなり前向きに見ている。

ところが最後に、
洗面所の窓を開けた瞬間、
隣家のリビングのような場所が目に入った。
たまたま隣人がこちら側を見ていたところが目に映った。

その瞬間に、

「これは…ちょっと無理です」

と言った。

他の条件はほぼ合っていたのに、
たった一つのこの視覚的な違和感で、
その物件は無しになりました。

こういうことは、現場では普通に起こります。

だから営業マンは、お客様の細かい懸念を軽視してはいけません。

ただし、同時に大事なのは、

その懸念に営業マン自身が引っ張られすぎてはいけない

ということです。


細かい条件に合わせすぎると、選べる物件が一気に減る

例えば、お客様が

「目の前の空き家が気になる」

と言ったとします。

すると営業マンは、

「では、目の前に古い家がない物件を探そう」

と考えがちです。

でも、それを条件として本格的に入れてしまうとどうなるでしょうか。

例えば

予算は2,000万円前後。
中古戸建。ある程度リフォーム済み。
駅距離15分圏内。

その上で、
周辺の家も綺麗で、隣家も気にならず、
目の前にも古い建物がない。

そんな物件が、どれくらいあるでしょうか。
おそらくかなり少ないはずです。

もしかすると、
田んぼの真ん中のような
自然豊かな場所までエリアを広げないと出てこないかもしれない。

田んぼの真ん中ということは
駅からは30分歩くかもしれない。

でも、その物件をお客様が本当に選ぶでしょうか。
たぶん選ばない。

つまり、細かい懸念に合わせすぎると、
選択肢がどんどん狭くなります。

そして最終的には、

「条件に合う物件がありません」

という状態になっていく。
これが危ないのです。


物件選びには大きな3つの軸がある

不動産購入でまず見るべき大枠は、基本的に3つです。

お金
エリア
その他の条件

この3つです。

お金とは、予算や月々支払い、住宅ローンの現実性です。

エリアとは、通勤、通学、実家、生活圏、路線、駅距離などです。

その他の条件とは、間取り、築年数、駐車場、リフォーム状況、周辺環境などです。

もちろん、お客様にとっては

「隣の空き家が気になる」

という話も大事かもしれません。

でも、それは多くの場合、全体の条件の中ではかなり小さな一部分です。

にもかかわらず、営業マンがそこにフォーカスしすぎると、本来見るべき大枠が見えなくなります。


まず固めるべきは「お金」「エリア」「間取り」

特に最初に固めるべきなのは、

お金
エリア
間取り

です。

この3つが固まると、物件の候補数はかなり絞れます。

例えば、

予算2,600万円。
江戸川区内。
マンション。
1LDK〜2LDK。

この条件で検索すると、ある程度候補が見えてきます。

そこから

築年数はどうか。
駅距離はどうか。
リフォーム済みか。
駐車場は必要か。  など

条件を加えていって物件を絞っていく。

逆に、この大枠が固まっていないのに、

「壁が気になる」
「古い隣家が気になる」
「窓から見える景色が気になる」

という細かい話から入ってしまうと、判断がどんどんズレます。


間取りは、意外と大きく変わらない

条件の中でも、間取りはかなり重要です。

なぜなら、間取りは生活人数や暮らし方に直結するからです。

例えば、
夫婦と子どもがいる家庭なら、3LDK〜4LDKが現実的になることが多い。
単身者や2人暮らしなら、1LDK〜2LDKで収まることが多い。

もちろん例外はあります。

でも、5LDKが必要な人が急に1LDKになることは少ない。
1LDKで足りる人が急に4LDKを求めることも少ない。

つまり、間取りは大きくブレにくい条件です。

だからこそ、

お金、エリア、間取り。

まず、この3つを先に固めるだけで、かなり物件選びの方向性が見えてきます。


条件が広すぎるなら、絞る質問をする

もし条件を入れて物件数が多すぎるなら、さらに絞る必要があります。

その場合は、

「江戸川区・葛飾区・墨田区の中なら、どこが一番理想ですか?」
「駅距離は徒歩何分以内が現実的ですか?」
「築年数は何年以内までなら許容できますか?」
「リフォーム済みの方が良いですか?」

という質問が必要になります。

つまり、物件数が多すぎるときは、条件を絞るヒアリングをする。

逆に、物件数が少なすぎるときは、

「エリアを広げるならどこまで可能ですか?」
「築年数を少し広げるのはどうですか?」
「駅距離を少し伸ばすことはできますか?」

という質問が必要になります。

この質問をするか否かの判断をするには、
営業マンの頭の中にある程度の物件相場が入っていなければいけません。


頭の中に“レインズ”を入れておく

予算・エリア・間取り

まず、この条件で見たときに、
対象エリアにどのくらいの物件数があるのか。
あるとしたら、どの程度の物件になるのか。

希望の条件に対して
現場で毎回物件情報を検索して、話を展開するわけにはいきません。

お客様との話には流れがあります。
その流れを切って、もちろん詳細は調べればいくらでも分かりますが

「このエリアでこの予算なら、物件はありそうか」
「この路線で新築戸建てなら、だいたい何万円くらいからか」
「この駅周辺でマンションなら、築年数と価格帯はどのくらいか」

これくらいは、ざっくり頭に入っていないと接客中の展開に迷いが生じます。

だから、不動産売買仲介の営業マンならば
頭の中にレインズがあるかどうか。

すなわち、物件情報が頭に入っているか。
頭の中に物件情報の地図が描けているかどうか。

この情報の有無で、現場でのヒアリングの質は大きく変わります。

物件情報が頭に入っていることで

対象物件が多そうなら、物件を絞る質問をする。
対象物件が少なそうなら、広げる質問をする。

その判断が現場でできるようになります。


細かい不満に反応する前に、大枠を見る

お客様が

「この壁が気になる」
「隣の家が気になる」
「少し狭い」

などと言ったとき、営業マンはすぐにそこを解決しようとしがちです。

でも、そこで一度止まる必要があります。

本当に見るべきなのは、
その不満・懸念が物件選び全体の中でどれくらい重要なのか。

そして、仮にその不満を加味して条件とした時、
物件の選択肢はどれくらい減るのか。

ここを念頭に置く必要があります。

もちろん、お客様が気にされる細かい懸念を無視してはいけません。
でも、そこに引っ張られすぎてもいけません。

営業マンがやるべきことは、お客様と一緒になって細かい不満に沈んでいくことではありません。

お客様の気持ちを受け止めた上で、もう一度、大枠の判断軸に戻してあげることです。


営業マンは、お客様と同じ場所で悩んではいけない

お客様は目の前の物件を見て、

「ここが気になる」
「ここが嫌だ」
「ここが不安」

と感じます。
多くの場合、一生に1回の買い物ですから、それは当然です。

でも営業マンまで一緒になって、
その細かな懸念点だけを見てしまうと、
物件選びは前に進みません。

営業マンは一段上から見なければいけません。

このお客様の予算はいくらなのか。
希望エリアはどこなのか。
必要な間取りは何なのか。

まず、その条件で、
現実的にどれくらい数の選択肢があるのか。

次に、
築年数で絞って、駅距離で絞った時の選択肢はどのくらいあるのか。

もしも、この段階で10件程度の物件数しかなければ、
お客様のご条件では選択肢は10件しかないのです。

その10件の中で、
より広く感じる、音が静か、近隣が気にならない、
車が停めやすい、日当たりが良い、
などと感じるより良い物件を選んでいただくしかないのです。

不動産売買仲介の営業マンは
この視点を忘れてはいけません。

最初から

「隣家が気にならない物件」
「音が気にならない物件」
「変な間仕切りがない物件」

などに目を向けてしまうと
おそらく、ずっと良いと感じる物件は見つからずに
ドツボにハマってしまうでしょう。


最後に

不動産営業で大切なのは、
お客様の言葉に反応することではありません。
お客様の言葉の奥にある判断軸を整理することです。

「空き家が気になる」
「壁が邪魔」
「狭く感じる」

こうした言葉は無視はできません。
でも、それが物件選び全体の中でどれくらい大きな問題なのか。
そこを絶対に見誤ってはいけません。

細かい不満に引っ張られる営業マンは、
物件選びの本質を見失います。

一方で、成果を出す営業マンは、

お金、エリア、間取り、築年数、駅距離、リフォーム状況。

こうした大枠から物件選びを整理します。

そして、その大枠の中で、
お客様の小さな懸念をどう扱うかを考えてます。

営業マンに必要なのは、
細かい不満を消す力ではありません。

お客様が何を優先し、何を許容し、
どこで判断すべきかを一緒に整理する力です。

大枠の条件と、細部の懸念点。
その両方を見ながら、現実的な判断へ導くこと。

そこに、不動産仲介営業マンの本当の価値があるのだと思います。

この記事の著者

関根 悠太

株式会社Re-Branding 代表取締役
不動産 売買仲介営業 専門/研修講師
 
不動産をはじめ10業種以上の営業現場経験を経て、2023年に株式会社Re-Brandingを設立。1on1などを通して社員一人ひとりの本音や課題に向き合い、組織力を強化する支援を行う。離職率40%削減や売上140%向上といった成果を創出。
 
【専門分野】
不動産売買仲介/離職防止と組織力強化/営業プロセス改善
  
「一人ひとりの本音に向き合い、課題の本質を共に探り、解決へ導く」ことを信条に、企業の未来を共に形作るパートナーとして活動中。

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