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なぜ話が伝わらないのか?営業マンが知るべき本当の原因と解決策

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「なぜ、うまく伝わらないのだろう?」

営業や日常のコミュニケーションの中で、あなたが感じたことがあるかもしれません。顧客や上司に対して、自信を持って説明したのに、思ったような反応が返ってこないことはありませんか?

たとえば、商談中に自分が熱意を持って伝えた提案に対して、相手が予想外に冷静だったり、時には全く違う方向に話が進んでしまった経験があるかもしれません。さらには、上司からのフィードバックで「話がよくわからない」「もっと簡潔に説明して」と言われることが続くと、自分がどうしてうまく伝えられないのか疑問に思うこともあるでしょう。

このような悩みは、多くの人が感じている問題です。あなたが「自分の話が伝わらない」と感じる原因は、単なる表現力や話し方のテクニック不足だけにあるのでしょうか?それとも、もっと根本的な問題が隠れているのでしょうか?

この記事では、「話が伝わらない」原因を明らかにし、どのようにすれば相手にしっかりと自分のメッセージを届け、行動につなげることができるのかを解説していきます。

 

原因分析:なぜ話が伝わらないのか?

話が伝わらない理由には、いくつかの共通する要因が存在します。表面的には「話し方が下手だから」「コミュニケーションスキルが不足しているから」と思うかもしれませんが、実はそれ以上に根本的な原因が隠れています。

これから、その隠れた要因に目を向け、具体的に解説していきます。

①話し方・話す内容に焦点を当てすぎている

多くの営業マンが「話し方」や「話す内容」に対して過剰に意識を向けています。確かに、言葉の選び方や、話し方のテクニックを学ぶことは重要です。しかし、ここで重要なのは、「話し方や話す内容そのもの」が問題の本質ではないということです。

例えば、営業マンが「私は話し方が下手だから、相手に言ってることが伝わらないんだ」という場合。それはあくまで表面的な問題に過ぎません。

深く掘り下げると、話し方そのものよりも、相手がどう受け取っているかを考えられていないことが原因だったりします。「自分が話すこと」に集中し過ぎるあまり、相手の反応やリアクションに意識が向かず、一方的に話してしまうケースが多いのです。

「相手はどのように受け取っているだろうか?」という視点が欠けていることで、相手の心に響く言葉が選べない。営業の成功は「相手にどう響くか」を常に意識することにかかっています。テクニックに頼るよりも、まずは相手がどう感じるかを考える姿勢が重要なのです。

②伝えたいことへの「信念」が不明確

営業の現場で、顧客に話が伝わらない大きな原因の一つとして、営業マン自身がその話に対して確固たる信念を持っていないこともあります。

ちなみに、今、あなたが扱う商品やサービスの価値に対して、本当に確信を持っていますか? 

「なぜ、この商品がお客様の役に立てるのか?」「この商品の中で、お客様にとって最善の選択肢はどれか?」「今の問題を先延ばしにすることで、どのような不都合が生じるのか?」といった確信がないまま、ただ売上目標のために、言葉だけを話しているとしたら、あなたの言葉にエネルギーは宿りません。

たしかに、売上を上げることは営業職にとって重要です。しかし、売上だけに意識を向けすぎると、自分自身扱っている商品やサービスに対する信念が薄れてしまいます。この結果、あなたの言葉には魂が宿らず、相手に響かないのです。

そして、ここで問いたいのは、信念の欠如がもたらす影響です。信念がない状態で相手を説き伏せようとする姿勢は、詐欺師のようなやり方に近いといっても過言ではありません。

詐欺師は、売る商品や情報に対する信念を持つどころか、その内容や相手の未来について一切考えていないのです。彼らの「売る」という行為は、相手を利用し、お金を奪うことが目的です。言葉だけを武器に相手を翻弄し、その瞬間だけを上手く乗り切ろうとする卑劣な姿勢です。

もちろん、あなたは詐欺師ではありません。

しかし、もし信念を持たずにただ売ること、購入いただくことだけに注力しているなら、その姿勢は詐欺師と似たものになってしまいます。信念のない言葉はエネルギーがなく、相手に響かないのです。お客様は、あなたが本当にその商品を信じているかどうかを敏感に感じ取ります。表情や態度、目の動きや声のトーン—そのすべてから、あなたの言葉の裏にある真実が相手に伝わるのです。

営業で本当に成果を上げたいならば、まず自分自身が扱う商品やサービスに対して、深い信念を持つことが不可欠です。

「この商品が相手の役に立つ」「この提案が目の前の相手にとって最高の解決策である」「先延ばしにすることはお客様にとって大きな損失になり得る」と自分が話し伝える言葉に心からの信心がなければ、言葉には力が宿りません。信念を持って話すことで、相手にエネルギーが伝わり、結果として行動を促すことができるのです。

では、どのようにして信念を持つことができるのでしょうか?

まずは、自分自身がその商品やサービスを深く理解し、その価値を納得することです。自分が納得し、信じているものは、相手にも自然と伝わります。単に「売るために話す」のではなく、「本当に相手のためになる」と信じて話すことが、営業マンとして成功するための第一歩です。

信念を持たずに話すことは、一時的に結果を出せたとしても、長期的には失速に繋がります。信念に裏打ちされた言葉こそが、顧客との信頼関係を築き、最終的に持続可能なビジネスを作り上げるのです。

心の矢印が自分に向いている

営業マンの中には、顧客との会話で常に「自分に矢印が向いている」状態の人がいます。

これがどういうことかというと、自分がどう見られているか、どう評価されるかばかりに気を取られているということです。例えば、「このトークがうまくいっているだろうか」「自分の印象はどうだろうか」といった考えが頭の中を占めてしまうことです。

このような状況では、相手の反応や感情をしっかり受け取る余裕がなくなります。その結果、相手に寄り添ったコミュニケーションができず、相手のニーズや疑問に的確に応えることができません。話し方のテクニックにばかり目が向いてしまい、本当に大切な「相手を理解する姿勢」が欠けてしまうのです

顧客は、「自分のために真剣に話しているか」「相手の心の声を聞いているか」を敏感に感じ取ります。目が合わない、相手の話に対して適切に反応できない、といった小さなサインも即座にその姿勢や行動は相手に伝わります。

特に、営業マンが自信を持てずに目を逸らす場面では、顧客はその不安定さを感じ取り、話が信用できないものとして受け取ることが多いです。

つまり、話が伝わらない原因は、「話し方が下手だから」ではなく、自分中心の考え方に縛られて、相手に向けるべき心の矢印を自分に向けてしまっていることが大きな要因なのです。

根本的な問題:コミュニケーションの癖が影響している

上記の3つの要因に共通しているのは、無意識のうちに抱えている「コミュニケーションの癖」、もっといえば、「コミュニケーションに関する思考の癖」が、話の伝わり方に大きく影響しているということです

営業マンが「自分は話し方が下手だから伝わらない」と考えるとき、それは表面的な問題にすぎません。

たとえば、話している最中に目を合わせられない営業マンがいます。顧客と会話をしているとき、緊張や不安から目線が逸れてしまう。

これが一度ならまだしも、繰り返されると、顧客は「この人は自信がないのではないか?」と感じ、信頼感を失ってしまうのです。話の内容が良くても、話している最中に発せられる「非言語的メッセージ」が相手に与える影響は計り知れません。

また、体の姿勢や声のトーン、手の動きなども無意識に顧客に伝わります。話す内容だけに頼らず、自身の言葉と動作の一致を意識することで、伝わる力が格段に強くなります。言葉を伝えるときには、全身でその信念を表現する姿勢が求められるのです。

 

この章をまとめると、真に相手に話を伝えるためには、相手に矢印を向け、自分の信念を明確に持つことが大切であり、言葉だけでなく、目線や姿勢、声のトーンなど、全ての非言語的メッセージも相手に伝わることを忘れないでください。

話し方のテクニックを磨くだけではなく、まずは自分のマインドセットとコミュニケーションの基本姿勢を見直し、意識的に行動を変えていくことが、成功する営業への第一歩です。

 

マインドセットを整える:伝わるための基本

営業で成果を上げるためには、ただ商品やサービスを紹介するだけではなく、「どうやって相手に伝わるか」を常に考え、行動することが重要です。ここでは、話が伝わるための基本的なマインドセットと、そのために必要なステップについて深く掘り下げていきます。

自分の信念を深める

よく「信念を持て」と言われますが、確かにそれは簡単に出来ることではありません。特に新入社員や、まだ社会経験の浅い営業マンにとって、商品やサービスに対してすぐに強い確信や信念を持つことは難しいでしょう。

ですが、前述の通り、信念がないままでは、どんなに上手な話し方やテクニックを使っても相手に響くことはありません。では、どうすれば信念を持つことができるのでしょうか?

  • 本当にこの商品はお客様にとって価値があるのか?
  • 自分はこの提案が相手にとって最善の選択だと心から信じているか?

もちろん、商品やサービスをお客様に勧める際、このような問いかけを自分自身にかけてみることも良いでしょう。

これらの質問に対する答えが不明確なまま進めると、あなたの言葉にはエネルギーが宿らず、相手もそれを感じ取ります。営業は、顧客をただ説得するだけではありません。あなたの信念やエネルギーが、言葉を通じて相手に伝わることで初めて、行動を促すことができるのです。

加えて、以下についても重要です。

実際の顧客の体験を知る

信念を深めるための最も効果的な方法は、「実際の顧客が、どのような背景で商品やサービスを購入したのか」を知ることです。これを一人で理解するのは難しいため、上司や先輩に「お客様の事例」を聞くことから始めましょう。

  • お客様はどんな悩みを抱えていたのか?
  • なぜお客様はその商品で購入を決めたのか?
  • 最終的にどのような言葉や提案が決定打となったのか?
  • お客様は購入を決めた後にどのような気持ちになったのか?

これらの質問を通じて、顧客のリアルな感情や経験を擬似的に体験することができます。

上司や先輩に話を聞きながら顧客の立場になり、その心理的な変化や購入に至るまでのプロセスを想像してみてください。すると、商品やサービスに対する理解が深まり、ただ言葉を覚えるだけではない「確信」が生まれてくるはずです。

例えば、ある不動産の顧客が「家族との時間を大切にしたい」という強い願いを持ち、広い庭付きの一戸建てを購入したとします。その背後にあったのは、「家族との時間の幸せを大切にしたい」という深い願望。あなたは、その顧客の思いに寄り添い、提供する商品やサービスの価値を理解することができます。

これが信念を持つ第一歩です。

自分自身の体験に置き換える

自分自身の体験や価値観に置き換えて考えることが大切です。「なぜこの商品を扱っているのか?」「この提案が自分の家族や友人にとっても有益だと思えるか?」という視点で考えてみてください。

詐欺師と本物の営業マンの違いはここにあるのです。

繰り返しますが、詐欺師は、売る商品や情報に対する信念を持つどころか、その内容や相手の未来について一切考えていないのです。一方で、本物の営業マンは、お客様の未来や利益を本気で考え、その信念を基に商品を提供するのです。

この違いが、最終的にお客様の信頼を得られるかどうかに直結します。

自分の家族や友人にとって全く有益でないものを、家族や友人に勧めることはしないでしょう。もし、自分が「この商品は本当に自分の家族にとって良いものだ」と心から思えるようであれば、その信念は自分のものとなり、自然と説得力が増していきます。

信念は一朝一夕で身につくものではありませんが、自分に引き寄せて考えることで徐々に培われていくのです。

相手を中心に考える

営業活動で最も重要なことは、自分ではなく相手のために話すという姿勢です。これを意識していない営業マンは、どうしても自分自身の「ノルマを達成するため」「自分の成果を上げるため」「上司の怒られないため」という印象を、相手に与えてしまうのです。

この事象を自分ごとに置き換えて想像してみると見えてきますが、もし仮に目の前の友人から「これ、オススメだよ」という誘いを受けた際。

もしも友人の心の中で「これを買ってくれたら僕に報酬が入るんだ。ふふふ。」という心であなたに誘いを提案していると知ったら、あなたはどんな気持ちでその言葉を受け取るでしょうか? その友人と今後も付き合いたいと思うでしょうか。、

相手に話が伝わるためには、心の矢印を自分に向けるのではなく、相手に向けるところから始まるのです。そして、最終的な結果として自分へ売上や報酬という形で還元されるのです。

購入者の心理を深く理解する

繰り返しますが、営業マンとして、どれだけ相手の立場に立って考えられるかが勝負です。前述のように、過去の成功事例を参考にしながら、顧客の気持ちを擬似体験してみることで、自然と「相手のために話す」という姿勢が身につきます。

自分の話し方に集中しすぎると、相手の反応やニーズを見逃してしまいます。たとえば、「このトークがうまくいっているか?」「自分はどう見られているか?」といったことばかり考えていると、相手が何を感じ、何を必要としているかに気づけなくなります。

当たり前ですが、顧客は自分のニーズや課題に寄り添ってくれる営業マンを求めており、あなたがどれだけ話し方のテクニックを駆使しても、相手がその場で何を感じ、どう反応するかに気づけなければ、本質的なコミュニケーションは成り立ちません。

ですから、お客様と相対している時に浮かべるべき思考というのは、例えば

  • そもそも、お客様は何を求めているのか?
  • お客様はどのような悩みを抱えていたのか?
  • 購入の決め手は何だったのか?
  • この提案はお客様にとってどのような利益をもたらすのか?
  • この場でお客様が最も不安に感じていることは何だろうか?

といった具体的なエピソードを、事例を基に学び、リアルに想像できるようになると、自然と相手の視点に立つことができます。

体験を通じた学びの重要性

信念を持つため、そして相手を中心に考える姿勢を身につけるためには、体験が不可欠です。

新人の営業マンが信念を持つには、実際の顧客との対話を通じて学び、成長していく必要があります。最初から完璧に理解し、相手の立場に立って話すことはできないかもしれませんが、先輩や上司から顧客の事例を聞き、実際の現場で学ぶことで、徐々に自分のスタイルが確立されていきます。

ロールプレイングやフィードバックを活用して、リアルな体験を積み重ねることが大切です。自分一人で抱え込まず、周囲のアドバイスを受け入れながら成長していきましょう。

 

実践テクニック:伝わるための1stステップ

伝わるコミュニケーションの鍵

信念を持ち、相手を中心に考えることができるようになったら、次に必要なのは「伝え方」の技術です。

しかし!多くの人は「伝わるためのステップ」と聞くと、まず「何を話せばいいか」や「どんな画期的なフレーズを使えばいいか」に意識を向けがちです。

ところが、コミュニケーションの本質に目を向けると、相手に対して本当に伝えたいことが伝わるためには、単に言葉を選ぶだけでは不十分であり、効果的な質問を使うことが、伝える力を飛躍的に向上させる重要なポイントです。

質問を投げかけることで、相手は自分の頭で考え、答えを見つけようとします。これにより、単に話を聞くだけの「受け身」の状態から、能動的に会話に参加する「主体的な」状態へと変わります。主体的に考えさせるプロセスを作ることで、相手の理解が深まり、情報がより自然に受け入れられ、結果的にあなたの話が伝わりやすくなるのです。

質問を中心としたコミュニケーションは、相手の中であなたの話を聞き入れる体勢を整え、話に対する納得感を高め、心に響く会話を作るための鍵となります。

ここでは、実際に現場で使える具体的なテクニックを紹介し、特に「質問を投げかけること」と「話しすぎないこと」に重点をおき、その重要性を掘り下げていきます。

質問が持つ力:人間の脳の仕組み

相手との対話で質問を投げかけることは、営業において極めて重要なテクニックです。多くの営業マンは、一方的に自分の知識や情報を提供することに集中してしまい、相手の心を動かすタイミングを逃してしまいます。では、なぜ質問が効果的で、どのように相手の行動に影響を与えるのでしょうか?

心理学的には、質問は相手の脳を能動的に切り替える強力なツールです。人間の脳は、質問されると自然にその答えを考えようとする特性があり、これは「アクティブリコール」と呼ばれる認知心理学のメカニズムで、記憶や知識を引き出す過程を指し、質問されることで脳がその答えを探し出そうと活性化します。この過程により、相手は単なる受け手から能動的な思考者に変わり、情報を深く処理するようになります。

たとえば、「他社と比較して、この商品についての感想を伺えますか?」という質問を投げかけることで、相手はその答えを探し始め、自然と自分の考えを言語化します。脳が答えを求めて動き出すため、質問されることで話に深く関与し、ただの情報提供以上に記憶に残りやすくなります。

質問の重要性を裏付ける行動経済学的根拠

行動経済学の視点から見ると、質問は相手の「自己決定感」を促す効果があります。人間は、外からの指示ではなく、自分で決断したことに対して強い納得感を持ちます。これは「自己決定理論」と呼ばれ、相手が自分で答えを導き出すことで、その決断に対する満足度や一貫性が高まるという考え方です。

たとえば、「この商品は、あなたにとってこんな価値を生みます」と伝えるよりも、「この商品は、あなたにとってどのような価値を生むと思いますか?」と聞けば、相手は自分でその価値を考えるプロセスを経ます。

このプロセスによって、あなたが提示した価値が相手にとっても有益であると感じる確率が高まります。自分で答えを導き出すというプロセスを経ることで、購入や契約に対する納得感が増し、その後の行動に結びつく可能性が大きくなるのです。

質問は「心の扉」を開くカギ

質問は、単に情報を引き出すためのツールだと思ってはいけません。それは相手の心を開かせ、信頼を築くための重要な要素です。

特に営業の現場では、相手のニーズや悩みを表面的に聞くだけではなく、深層にある感情や本音を引き出す必要があります。良い質問を投げかけることで、相手は自分でも気づかなかった本音に気づき、より深いレベルでのコミュニケーションが可能になります。

相手の心が開いた状態で重要な話を伝えるからこそ、あなたの話が相手の心の奥底まで伝わり届くようになるのことを心得ておきましょう。

 

実践テクニック:相手に考えさせる余地を残す

営業マンが一方的に話しすぎると、相手は受け身になり、情報が頭に入りにくくなります。特に、高額な商品では、顧客が自分で判断し、納得した上で行動に移すことが重要です。そのため、話しすぎず、顧客が自分で考える余地を残すことが効果的です。

認知的負荷を軽減するための「間」

営業マンが一方的に話しすぎると、顧客は脳に負荷がかかり、情報を処理する力が低下します。脳は多くの情報を一度に受け取ると、「認知的負荷」がかかり、混乱や疲労を引き起こします。

不動産のような多岐にわたる条件を判断する際、顧客はすでに情報の整理に追われているため、追加情報を与えすぎると、最終的な決断を避ける可能性があります。

そこで、話の途中で「間」を意識的に入れることで、相手の脳に休息を与えることが重要です。

たとえば、物件の説明を一通りした後、「今までの内容で気になる点はありましたか?」、「この物件を選んだ場合、どんな生活が待っていそうですか?」と聞き、数秒間の沈黙を作ることで、顧客に情報を整理する時間を与えます。

少しの沈黙を作ることで、顧客は自分の答えを導き出す時間を持つことができます。この「自己決定のプロセス」をサポートすることで、顧客は物件に対してより強い納得感を持ち、行動に結びつきやすくなります。

自ら答えを導くプロセスを尊重する

顧客は、自分で決断を下すことにより大きな満足感を得ることは前述した通りです。

認知心理学によると、人間は自分で考え、納得したことに対して行動を起こしやすくなります。話しすぎず、間を持たせることで、相手に「行動を起こす理由」を自ら見つけさせることができます。

営業マンが一方的に話すのではなく、質問や沈黙を使って相手に考える時間を与えることで、相手自身が答えを導き出し、その結果として行動に結びつく可能性が高まります。

沈黙は不快なものと感じるかもしれませんが、実は「沈黙の圧力」を使うことは非常に効果的です。

人間は沈黙が続くと、その場の空白を埋めようと自然に話し始めます。たとえば、顧客が迷っているとき、すぐにこちらから解決策を提供するのではなく、沈黙を利用して相手が自分の考えを整理するのを待つことで、顧客自身が解決策を見つける手助けになります。

 

まとめ:伝わるための鍵は信念と質問の力

コミュニケーションの本質は、ただ「話すこと」ではなく、相手にどう伝わり、どう行動を促すかにあります。信念を持ち、相手を中心に考える姿勢を整えることが、伝わるための第一歩です。

しかし、信念を持つだけでは不十分で、効果的に質問を投げかけ、相手に考えさせることで、その信念をしっかりと届けることができます。質問は相手を能動的にし、納得感を生み出し、自己決定感を高めます。また、話しすぎず間を置くことで、相手に考える余地を与え、より深い理解を促すことができます。

今後の営業や日常の対話で、ぜひ信念を持ち、効果的な質問を活用し、相手に真に伝わるコミュニケーションを実践してみてください。それが、成功への大きな一歩となるでしょう。

 

この記事の著者

関根 悠太

株式会社Re-Branding 代表取締役
  
中小企業の利益を増やす:営業コンサルタント
AIには真似できない:ブランディングクリエイター
  
1990年生まれ、福島県出身。大学中退後、10業種以上にわたる多彩なキャリアを積み、現場経験を通じて培った問題解決力を武器に2023年に株式会社Re-Brandingを設立。
 
「パートナー型コンサルティング」の手法を用いて、クライアント企業と深い信頼関係を築き、持続的な成長を支援。独自の「眼前可視化」というコンサル技術を駆使し、クライアントが自らの課題の本質を理解し、納得のいく解決策を導き出すプロセスに定評がある。
 
従来のコンサルの枠を超え、クライアント企業やチームの一員として深く関わることで、買取店を出店10ヶ月で売上1億超、60万円の講座販売成約率が70%超、ミスコン世界大会でグランプリ獲得、不動産会社の離職率を40%減少させ採用育成費を2000万円削減するなどの成果を創出している。

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