分かりやすく伝える力を身につける!ビジネスに必要な話し方・書き方のコツ
「何を伝えたいのか分からない…」「もっと要点を絞って話して」「で、結局どうしたいの?」
このようなことを言われたことがある人は、少なくないでしょう。
自分の言葉を伝える力は、営業成績、報告の正確さ、チーム内のコミュニケーションに大きく影響を与えます。しかし、ただ「話す」「書く」だけでは不十分。しっかりと相手に伝わり、理解してもらうためには、適切な表現力と構成力が必要です。
本記事では、伝える力がなぜ重要なのか、その力をどう鍛えるか、効果的なアウトプットの方法を具体的に解説していきます。今すぐ使える実践的なアドバイスで、あなたのビジネス力を一段上げていきましょう。
なぜ「伝わらない」のか:ビジネスにおけるコミュニケーションの根本課題
ビジネスの現場では、自分が伝えたつもりでも相手が理解できず、コミュニケーションが不調に終わることがしばしばあります。例えば、上司やお客様との会話で「要点がまとまっていない」「話が長すぎる」と感じられ、会話が効果を持たないまま終わる。これこそが、伝える力の欠如です。
このような問題を放置すると、チーム内の誤解やプロジェクトの遅延、取引の失注などに繋がります。そして最も危険なのは、この伝わっていない現状を「いつものこと」として認識し、改善する意識を持たないこと。なぜなら、コミュニケーションの問題は目に見えにくく、直接的な影響が現れないためです。しかし、これこそが業務効率の低下やビジネスチャンスの逸失に繋がる大きな要因です。
なぜ「話がまとまらない」のか?
話がまとまらない原因は、実はシンプルです。あなたが伝えたいことを、まず自分の中で整理できていないからです。頭の中で情報が複雑に絡み合い、どれが重要かが分からないまま相手に伝えようとするため、話が長くなり、聞き手は混乱してしまいます。
これを解決するためには、「話のゴール」を最初に明確にすることが必要です。それは、すなわちこの話をすることで、どのような結果を得たいか? どのような反応を得たいか? どのような理解を生みたいか? ということです。
相談に対してアドバイスを受けたいのか、意見を主張し新しい改革の一歩を進めることなのか、商品を購入いただきたいのか、ビジネスアイデアを提示して投資を受けたいのか…ゴールを自分の中で設定することができていれば、必要な道筋も見えてくるのです。
伝わらないコミュニケーションの典型的なパターン
伝わらない話には共通のパターンがあります。それは、論点や主張の分散です。一度にあれもこれも伝えようとすることで、結局どれも伝わらないという状況に陥ります。
特にビジネスシーンでは、「何を伝えたいのか」をまず絞り、その要点を一つにまとめる必要があります。話すポイントが多ければ多いほど、聞き手の記憶に残るものは少なくなるという現実を意識するべきです。
これはメール文章などでも同じことが言え、この1通のメールで「何を伝えたいのか」を絞ることが重要であり、伝えるポイントが多ければ多いほど、受け手は記憶として残るものが少なくなっていくのです。
コミュニケーションギャップが生じる理由
「自分の意図している通りに伝わらない」という状況は、そのほとんどが”聞き手との認識のズレ”から生じます。あなたが何を伝えたいのかと、相手が何を求めているのかが一致していないため、会話が噛み合わないのです。
例えば、相手は軽い気持ちで「これはどこで製造されたものですか?」と質問してきた内容に対して、「鹿児島県の**会社で〜〜という製法を使い、3ヶ月間かけて職人が丁寧に仕上げ〜・・・」と続けてしまうのは、相手の求めている答えに対して過剰な返答になります。
「いや、製造された場所だけ教えてくれたら良かったんだけど…」という状態です。
クライアントにメールを送る場面を考えてみましょう。あなたは「先日の打ち合わせありがとうございました」という挨拶をしつつ、「こちらの資料をご確認ください」とシンプルに伝えるつもりですが、クライアントは「次の打ち合わせの日程や詳細を早く知りたい」と考えているかもしれません。
あなたのメールには資料の確認だけが書かれているため、クライアントは「日程の調整や次のステップはどうなっているの?」と不安に思うでしょう。この場合、クライアントが求めている情報(次のステップや進行の確認)を提供できていないため、認識のズレが生じ、メールを読んでも理解が深まらない状況になってしまいます。
このギャップを埋めるためには、聞き手が何を必要としているのかを常に想像し、考えることが大切です。コミュニケーションは「自分が話す場」ではなく、相手のために話す場、もっと言うと相手が求めていることに応える場だという認識を持つことが成功の鍵でしょう。
伝わりやすい話・文章のための具体的テクニック
ビジネスの現場で求められるのは、単に話す力ではなく、相手が行動できるように導く力です。そのためには、伝えたいことをシンプルにし、相手が次にどう動けばよいかを明確に示す必要があります。ここでは、その具体的な方法を紹介します。
一度に伝えるメッセージは一つだけ
「何を伝えるべきか」を絞り込むことが最も重要です。たとえば、報告会議や商談で複数のメッセージを一度に伝えようとすると、結果的に全てがぼやけてしまいます。相手に残る印象は、「結局、何が重要だったのか分からない」になることが多いです。ですから、一度に伝えるべきは、たった一つのメッセージに絞ること。これが大切です。
とはいえ、実際の現場では、一度に複数の事柄を伝えなければいけない場合もあるかもしれません。その際に、話が伝わらない人の特徴として多いものが 「〜〜で、〇〇と、△△でして、□□を…」 など、一文が長くなってしまうというものです。 先ほどお伝えした通り、これでは話がぼやけてしまうのです。
この解消法としては「〜〜は、**です。 / 〇〇については、△△です。」と、一度の話の中でも、伝えたいことを明確に区切って伝えるようにしましょう。
PREP法を使って論理的に構成する
フレームワークとしてもっと有名な「PREP法(Point, Reason, Example, Point)」は、話を整理するための効果的なフレームワークです。
- Point(結論): 最初に結論を述べる。
- Reason(理由): なぜその結論に至ったのか、理由を示す。
- Example(具体例): 実例を挙げて理解を深める。
- Point(再結論): 再度、結論を強調する。
このフレームワークを使うことで、話の構成が明確になり、相手に理解されやすくなります。
ビジネスシーンでトラブル発生に関する共有する場面を例に、具体的に用いると以下のような
Point(結論)
「お客様との契約に関してトラブルが発生しました。」
Reason(理由)
「なぜなら、私の説明が不十分で、契約内容に対するお客様の理解とこちらの認識が食い違っていたためです。結果として、お客様が契約を解消する可能性を示唆しています。」
Example(具体例)
「例えば、B社との契約で提供するサービスの範囲について、私が誤った内容で説明してしまい、後になってお客様が契約内容が違うとクレームを出しました。私が現場で対応しましたが、お客様は非常に不満を持っており、今後の対応次第では契約解消のリスクがあります。」
Point(再結論)
「したがって、直ちに謝罪と誠実な説明を行い、今後のサポート体制や修正案を提案してお客様の信頼回復に努める必要があります。」
この例では「お客様との契約トラブルが発生し、早急な対応が必要であること」を相手に伝えいます。一文ずつ、伝えるメッセージは1つに絞り、そして全体として早期な顧客対応の必要性を言及しています。
聞き手を迷わせない5W1Hの徹底
PREP法に合わせて意識したいこととして、「誰に」「何を」「いつ」「どこで」「なぜ」「どのように」を明確にすることは、ビジネスコミュニケーションにおいて必須です。これらの要素が抜け落ちると、相手は不安や疑問を抱えたままになります。5W1Hを徹底することで、聞き手が「次に何をすれば良いか」を正確に理解できるようになります。
たとえば、「本件を進めてください」と言うだけでは抽象的すぎて、誰が、何を、いつまでに行うべきかが曖昧です。しかし、「Aさんに、B社向けの資料を、今週金曜日までに完成させて提出してください」という具合に5W1Hを徹底することで、具体的な指示が伝わり、相手はすぐに次の行動を取ることができます。
特に、多忙なビジネス現場では、このように情報をシンプルかつ具体的にまとめることで、余計な確認や手戻りを減らし、業務の効率化を図ることができます。相手が迷わずに動けるよう、5W1Hを常に意識することが重要です。
インプットだけで伝える力は上がらない:アウトプットとフィードバックの重要性
私たちはよく「知識を蓄えること」が重要だと教えられます。本を読む、セミナーに参加する、動画で学ぶ。これらのインプットは確かに重要です。
しかし、ビジネスの現場や日常生活において本当に力を発揮するためには、インプットだけでは不十分です。アウトプットと他者からのフィードバックがなければ、ただ知識を詰め込んでいるだけで、実際に活かすことができません。先ほど示した「PREP法」や「5W1Hの徹底」は単なるコミュニケーション上の知識や技術に過ぎず、実践できなければ何ら役には立ちません。
これはまるで、鍛錬を積んでいないスポーツ選手が戦術だけを学んでも実際の試合では勝てないのと同じです。ここでは、なぜアウトプットが重要なのか、その根拠や具体例をもとに解説します。
アウトプットなくして伝える力は育たない
そもそも、どれだけの知識を得たとしても、それを使って他者に伝えなければ、その知識は「頭の中だけのもの」に過ぎません。特にビジネスの現場では、情報を整理し、自分の言葉で伝える能力が不可欠です。たとえば、上司への報告や顧客へのプレゼンテーションが典型的な例です。頭の中で完璧に構築されたアイデアであっても、それを他者に伝える段階で曖昧な表現や不十分な説明に終わってしまうことは少なくありません。
言葉に出して初めて、自分の理解がどれだけ深いかが試されます。また、話している最中に「あ、これは伝わっていないな」「少し相手の反応が悪いな、一方的に話過ぎているかな」と気づく瞬間もあります。この気づきは、アウトプットして初めて得られるものです。つまり、いくらインプットをしても、アウトプットしなければ自分が何を理解しているのか、どの部分が不十分なのかは把握できません。
実際、心理学の研究でも、アウトプットの回数を増やすことが理解を深め、記憶の定着を促進することが示されています。例えば、講義を聞いた後、ただ復習するだけよりも、学んだことを人に説明する方が、理解度が大幅に向上するというデータがあります。このように、アウトプットがなければ、伝える力はもちろん、知識そのものの深化も期待することはできません。
他者のフィードバックを求める勇気
アウトプットの次に重要なのが、フィードバックを受けることです。特にビジネスの現場では、自己評価だけでは不十分です。なぜなら、自分では良いと思っているプレゼンテーションや報告でも、相手にとっては伝わっていない場合があるからです。
たとえば、営業マンが顧客にプレゼンを行った後、上司や同僚に「どうだった?」とフィードバックを求めることで、どこが良くてどこが悪かったのかを具体的に知ることができます。また、フィードバックをもらうことで、自分では気づけなかった改善点に気づくことができ、次に活かすことができます。
ここで重要なのは、フィードバックを求める「勇気」です。「勇気」と言うと、少し表面的な言葉に聞こえるかもしれませんが、フィードバックをもらうというのは、他者からの批判を受け入れることにも繋がります。しかし、そのプロセスを経てこそ、自分の伝える力は磨かれていくのです。ビジネスの現場では、他者からの評価を恐れてはならないのです。実際、優秀なプレゼンターやスピーカーも、初めはフィードバックを恐れていたかもしれませんが、そのプロセスを通じて磨かれていったのです。
フィードバックがないアウトプットは効果が半減する
アウトプットそのものは重要ですが、それを閉じられた環境で行うと、その効果は半減します。たとえば、日記を書くことは自己反省の一助にはなりますが、それだけでは他者からの視点が欠けており、改善点を見逃してしまうことがあります。ビジネスシーンでは、フィードバックを受けることで伝える力を大幅に強化できるのです。
たとえば、営業マンが報告書を書いた後、上司にフィードバックをもらうことで「この部分は具体性に欠ける」「もう少しデータを加えると説得力が増す」などのアドバイスを得ることができます。これを繰り返すことで、営業マンは自分の報告書のクオリティを向上させ、次第にフィードバックを受けなくても質の高いアウトプットができるようになるのです。
フィードバックを恐れて自己完結型のアウトプットに終始してしまうと、成長が停滞しがちです。逆に、フィードバックを積極的に求める姿勢は、スキルアップへの大きな一歩です。
アウトプットとフィードバックを繰り返すことで生まれる進化
ビジネスシーンでのアウトプットとフィードバックのサイクルは、進化を生み出します。たとえば、新入社員が上司に初めての報告をする際、最初はあまり上手くいかないかもしれません。しかし、フィードバックを受けることで、「次はこうしよう」という改善点が見つかり、次第に報告の質が向上します。この繰り返しのプロセスこそが、伝える力を飛躍的に成長させるのです。
これは、スポーツ選手が練習を重ね、コーチからのフィードバックを受けて技術を磨くのと同じです。
どんなに才能があっても、実際にプレーし、外部の視点からの指摘を受けなければ、次のレベルに進むことはできません。ビジネスでも同じことが言えます。伝える力を強化するには、実際に伝える機会を設け、それに対する評価を繰り返し受けることが重要です。
2019年、女子テニス世界ランキング1位を獲得した大坂なおみ選手。この時のコーチはサーシャ・バイン氏で、彼の指導の下で技術的な向上とメンタル面での成長を遂げました。スポーツもビジネスも、コーチとなる存在がいることで自身の能力を高めることができるのです。
インプットを生かすためのアウトプットとフィードバックの重要性
多くのビジネスパーソンは「本を読めば話せるようになる」「動画を見ればプレゼンが上手くなる」と考えがちです。しかし、これは誤解です。インプットはあくまで土台であり、それを実践するためのアウトプットと、それに対するフィードバックがあって初めて、実際に使えるスキルとして定着します。
たとえば、プレゼンテーションに関する本をいくら読んでも、実際にプレゼンを行わず、他者からフィードバックを受けなければ、そのスキルは習得できません。アウトプットして初めて、知識が「実践力」に変わるのです。
最終的に、伝える力を本当に鍛えたいのであれば、ただ学ぶだけでなく、その学びをどうアウトプットし、他者のフィードバックを受け入れるかが成功の鍵です。そして、そのプロセスを恐れず、何度も繰り返すことで、あなたの伝える力は確実に向上します。
伝える力を鍛えるための実践的ステップ
繰り返しますが、伝える力を高めるには、頭で理解するだけでなく、実際に何度も実践し、改善するプロセスが重要です。特にビジネスの現場では、報告、プレゼン、会議での発言など、日々のコミュニケーションの中で伝える力を磨く機会が豊富にあります。ここでは、具体的な実践ステップを紹介します。
日報や週報を使ってアウトプットを練習する
日報や週報は、毎日の業務で誰もが行う基本的な作業ですが、この「当たり前」の報告を、伝える力を鍛えるトレーニングの場として活用することが重要です。多くの人は、日報や週報を義務的に書いてしまいがちですが、それではせっかくのアウトプットのチャンスを無駄にしています。
たとえば、次のような点を意識して日報や週報を書いてみてください。
- 相手の視点で報告を作成する:上司やチームメンバーにとって必要な情報は何か?その情報を最も簡潔に、かつ具体的に伝えるにはどうすれば良いかを考えます。
- 課題と次の行動を明確にする:単に何をしたかだけでなく、そこで発生した課題、次にどう進めるべきか、という部分を明確に伝えます。
- 数字や具体的なデータを使う:抽象的な表現ではなく、具体的なデータを使って、結果や進捗状況を示します。「今日の作業は順調でした」ではなく、「今日のタスクを退勤予定時刻までに完了しました」というように具体化します。
毎日の業務報告の中でも、伝え方に工夫を加えることで、自然と伝える力が鍛えられていきます。また、定期的に上司や同僚からフィードバックを求めることで、さらに改善する余地を見つけられるでしょう。
プレゼンテーションの練習
プレゼンテーション、すなわち相手に対して自己表現を行う、何らかの情報を提示する、紹介すると言う行為は、伝える力を試される場として非常に効果的です。しかし、ただ話すだけでは伝わりません。プレゼンテーションの目的は、相手に何かしらのアクションを促すことにあります。そのため、プレゼンの準備段階から「相手にどう行動してほしいのか」を明確にしておくことが非常に重要です。
具体的には、次のステップを意識してプレゼンの準備をしましょう。
- 最初にゴールを設定する:プレゼンを聞いた相手が、最終的に何を理解し、何をすべきか、どう行動すべきか、を明確に定めます。
- シンプルで明確なメッセージ:プレゼンで伝えたいメッセージは、一つか二つに絞ります。多くの情報を詰め込みすぎると、聞き手は混乱し、最も重要なポイントが埋もれてしまいます。常に伝えたいメッセージは1つです。
- ビジュアルを活用する:数字やデータ、グラフなどを効果的に活用し、視覚的にわかりやすくすることで、情報を強く印象付けることができます。
また、プレゼン後にはフィードバックを求め、何が効果的だったのか、改善すべき点はどこかを具体的に把握しましょう。このプロセスを繰り返すことで、プレゼンテーション能力は飛躍的に向上します。
営業職などの現場において、ロールプレイングが重要視されるのはこのような点があるからです。
フィードバックを受け入れる姿勢を持つ
多くの人は、フィードバックをもらうことに対して消極的です。なぜなら、厳しい意見やネガティブな評価を受けるのは、誰しも避けたいと感るからです。しかし、フィードバックを受け入れ、改善に活かすことこそ、伝える力を伸ばすためには欠かせないプロセスです。
フィードバックを受ける際には、以下のことを心がけましょう。
- 感情的に反応しない:フィードバックはあなたを否定するものではなく、改善のためのヒントです。感情的にならず、冷静に受け入れることが大切です。
- 具体的な改善点を尋ねる:単に「良かった」「悪かった」ではなく、「どの部分を具体的に改善すべきか」を聞くことで、次のアクションが明確になります。相手のフィードバックが不明瞭だった場合には、正直にその旨を伝え、より具体的なアドバイスを求めるようにしましょう。
- 小さな改善を重ねる:一度のフィードバックですべてを完璧にする必要はありません。毎回少しずつ改善を加え、次第に伝える力を向上させることを目指しましょう。
上司や同僚からのフィードバックを恐れず、むしろ積極的にフィードバックを求める姿勢が、成長の原動力となります。厳しいフィードバックこそが、あなたの成長を加速させる機会なのです。
他人のスピーチや報告を聞いて学ぶ
自分のアウトプットだけでなく、他人のスピーチや報告から学ぶことも非常に効果的です。特に優れたスピーカーやプレゼンターの話を聞くと、その人がどのように構成を組み立て、どのように相手にメッセージを伝えているのかを学ぶことができます。
他人のスピーチや報告を聞く際、以下の点に注目してみましょう。
- 話の組み立て方:どうやって話を序論から本論、そして結論へと自然に導いているか。話の構成に注目します。
- 視覚的サポート:スライドやグラフを使う際、どのタイミングで効果的に視覚的要素を使っているか。色分け、字や図の大きさ、数字やデータの用い方など、視覚補助となる要素にも注目します。
- 言葉選び:特定の言葉や表現がどう相手に響いているか、どういった表現が相手に印象を与えているか。話を受けた人から「どの言葉が最も印象に残っていますか?」と聞いてみることも良いでしょう。
さらに、自分のチームメンバーや同僚に対する上司からのフォードバックも良い学びの材料です。上司がどのように対応しているか、どのようなフィードバックを与えているかを観察することで、自分の報告にどう活かせるかが見えてきます。
自分の伝え方を客観視する重要性
自分のスピーチやプレゼンテーションを録画して見返すことは、伝える力を飛躍的に向上させる最も効果的な方法の一つです。トップセールスマンや優れたプレゼンターは、自分自身の姿や話し方を客観的に分析し、改善点を見つけています。
これは、スポーツ選手が自分のフォームを録画して、動きや筋肉の使い方を振り返ることに似ています。自分が体感している内容と、実際に相手にどう映っているかのズレを確認することで、思わぬ課題が見つかることもあります。
例えば、話すスピードが速すぎる、声のトーンが平坦で単調になっている、ジェスチャーが少なすぎるか多すぎる、といった改善点が浮かび上がることがあります。録画を見返すことで、自分では気づかなかった「話し方」や「伝え方」の癖がはっきりします。そして、その気づきをもとに修正していくことで、プレゼンテーションの質は確実に向上します。
自分自身を客観的に振り返るというのは簡単ではありませんが、このプロセスを繰り返すことで、より伝わるプレゼンやスピーチができるようになるのです。自分自身の声や立ち振る舞いを自分で見ることに抵抗がある人も多いですが、最短最速で効果を上げる方法の1つとして、実践してみると良いでしょう。
まとめ
伝える力は、単なる知識のインプットだけでは身に付きません。日々の業務で積極的にアウトプットを行い、他者からのフィードバックを受けることで初めて成長します。日報やプレゼンテーションを通じて報告の質を高め、周囲からの評価を取り入れることが、あなたの伝える力を磨く鍵です。
そして、話すことと書くことは、互いに深く関わり合うスキルであり、一方を鍛えることで、もう一方の能力も自然に向上します。話す力を磨くことで、より分かりやすく、簡潔な文章を書くことができ、逆に文章を書くことで、論理的に話を展開する力が強化されます。これらのスキルは相乗効果を生み出し、結果として、伝える力全体が高まります。
フィードバックを恐れずアウトプットし、改善を重ねていくことで、ビジネスの現場で確実に成果を出す伝える力を手に入れましょう。