「中古を買うか、新築を買うか」という話ではない | 株式会社Re-Branding

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「中古を買うか、新築を買うか」という話ではない

#不動産仲介#営業#研修

不動産売買仲介営業が本当にやるべき“判断材料の整理”という仕事

不動産売買仲介営業の現場で新人教育をしていると、よく起こることがあります。

それが、

「新築を提案した方が会社として正しいんですよね?」

という、少し危険な勘違いです。

特に、中古物件から新築物件、あるいはリノベーション物件との比較トークを共有した後に、この誤解が起きやすい。

もちろん気持ちは分かります。

実際、不動産仲介の世界では、中古物件と新築物件では“営業側の利益構造”が違うケースも多いからです。

ですが、ここを履き違えてしまうと、営業として非常に危険です。

今回は、

・なぜ中古↔︎新築の話をするのか
・なぜリノベーションの提案をするのか
・営業として本当に見るべき視点は何なのか

について、整理してみたいと思います。

不動産売買の仲介営業は「自社商品を売る仕事」ではない

まず、この前提を間違えてはいけません。

特に仲介専門でやっているような会社の場合、基本的に自社所有の物件を販売しているわけではないでしょう。

市場に流通している物件を、
お客様にご紹介している立場です。

つまり、

「この物件を絶対に売らなければいけない」

という構造ではありません。

だから本来、
営業の仕事は、

“押し売り”

ではなく、

“判断材料の整理”

なんです。

Aという選択肢にはこういう特徴がある。
Bという選択肢にはこういう特徴がある。

その上で、

「お客様にとって、どちらが合っていますか?」

を整理する。

これが本来の仲介営業です。

なぜ中古↔︎新築比較の話をするのか

ここも新人が誤解しやすいポイントです。

中古から新築への比較トークを学ぶと、

「会社は新築を売りたいんだ」
「新築の方が儲かるから新築を売ろう」

と思ってしまう。

でも、そうではありません。

本質は、

“中古物件に潜むリスクを、お客様が理解できているか”

なんです。

中古物件には、当然リスクがある

中古住宅は、
目先の価格だけを見ると安く見えます。

ですが、その裏側には、

・修繕費
・設備交換
・給湯器故障
・雨漏り
・外壁補修
・シロアリ
・建て替え
・メンテナンス費用

など、様々なリスクが存在しています。

もちろん中古住宅が悪いわけではありません。

ですが、

「安いから中古でいいですよね」

だけで進めるのは危険です。

なぜなら、
その後のお客様の人生に関わるからです。

新築やリノベーション物件には何があるのか

新築やリノベーション物件には、

・設備保証
・住宅保証
・新品設備
・修繕リスクの低減
・目先のメンテナンス負担の少なさ

などがあります。

特に新築は、
購入後しばらくの間、

「想定外の出費」

が起きにくい。

これは、お客様にとって非常に大きい。

重要なのは「どちらが正義か」ではない

ここを本当に間違えてはいけません。

中古が悪いわけでもない。
新築が正義なわけでもない。

実際、

「中古をDIYしながら住みたい」

という方もいます。

「新築には興味ない」

という方もいます。

それなら、
中古を選べばいい。

全く問題ありません。

大事なのは、

中古のリスクも、
新築の特徴も、
両方を理解した上で選べているか

なんです。

何度も繰り返す通り

営業の言葉やプロセスには、必ず目的がある

ということです。

中古なのか新築なのかリノベーション物件なのか話も同じです。

私は、営業プロセスを考えるとき、4つの視点で整理すると分かりやすいと思っています。

営業側のメリット

「売上が上がる」だけではない

この中古→新築・リノベーションの話をしっかりお客様に伝えることで、営業側には実はかなり大きなメリットがあります。

ただ、それは単純に

「新築の方が利益が高いから」

みたいな短い話ではありません。

もっと現場的で、もっと本質的なメリットがあります。

 

① お客様との信頼関係が深まりやすい

まず一番大きいのはここです。

中古のリスクも伝える。
新築のメリットも伝える。
逆に新築のデメリットも伝える。

つまり、

「良いことだけを言っている営業」

ではなく、

“比較材料を整理してくれる営業”

になれる。

これって、お客様からするとかなり安心なんです。

実際、不動産購入って分からないことだらけです。

だからお客様は、

「この営業、本当に全部話してくれてるのかな」

をかなり見ています。

その中で、

・中古にはこういうリスクがあります
・でも中古にはこういう良さもあります
・新築にはこういう安心があります
・ただエリアは少し外れる可能性があります

みたいに、
ちゃんと双方を整理できる営業は信頼されやすい。

結果的に、

「この人から買いたい」

につながりやすくなります。

 

② 後々のクレーム・トラブルを減らせる

ここは現場的にかなり大きいです。

中古住宅って、
どうしても引き渡し後の問題が起きやすい。

・給湯器
・雨漏り
・設備故障
・配管
・建具
・シロアリ
・メンテナンス費用

などなど。

もちろん契約書や重要事項説明でも説明します。

でも実際は、

「こんなにお金かかると思ってなかった」

って後からなるケースもあります。

だからこそ、
事前に

「中古にはこういう特徴があります」

を営業段階で整理しておく。

これは単なる説明ではなく、

営業マン自身を守る行為

でもあります。

③ 営業として“提案の幅”が広がる

中古しか提案できない営業、新築しか提案できない営業。

これは弱いです。

本当に強い営業は、

「このお客様なら、どちらが最適か」

を整理できます。

例えば、

・子育て優先なのか
・通勤優先なのか
・安心感優先なのか
・DIYしたいのか
・将来売却を考えているのか

によって、ベストな提案は変わります。

つまり、

中古⇄新築⇄リノベーション

を比較整理できる営業ほど、
お客様に合わせた提案ができる。

結果、
営業としての強さが増します。

 

④ 結果的に売上が伸びやすい

ここも現実としてあります。

中古仲介と、
新築・リノベーションでは、

利益構造(仲介手数料)が違うケースも多い。

だから当然、
新築やリノベーションを選ぶお客様が増えれば、
売上が伸びる可能性があります。

ただし、
ここを絶対に履き違えてはいけません。

❌ 売上を上げたいから新築を売る

ではなく、

⭕ お客様に必要な比較材料を整理した結果、新築を選ぶ方も多い

これです。

この順番を間違えると、
ただの押し売りになります。

でも逆に、
ちゃんと比較整理をした上で、
お客様自身が

「新築の方が安心ですね」

となるなら、それは自然な意思決定です。

結果として、

・お客様満足
・営業の信頼
・売上向上

が全部つながっていく。

これが、
営業側の本当のメリットだと思っています。

お客様側のメリット

「買う」ではなく、“納得して選べる”こと

一方で、
この話をしっかり聞けることによる、
お客様側のメリットもかなり大きいです。

しかもこちらは、
人生レベルで影響します。

① 「知らなかった後悔」を減らせる

これは本当に大きい。

例えば中古住宅を買って、

・修繕費が想像以上だった
・設備交換が続いた
・建て替え時期が来た
・メンテナンス費用が重なった

となったとき、

「あの時、そんな話は聞いてなかった」

になるケースがあります。

逆に、最初から

・中古にはこういうリスクがあります
・でもこういうメリットもあります

を聞いた上で選んでいれば、
納得感が違う。

つまり、

“理解して選べている”

状態を作れる。

これが非常に大きい。

② 将来のお金のイメージが持ちやすくなる

家を買うって、
物件価格だけの話ではありません。

むしろ本当に大事なのは、

「その後、どう生きるか」

です。

例えば、

・毎月の支払い
・教育費
・老後
・修繕費
・将来の生活設計

まで含めて考える必要がある。

その中で、

「中古は安いけど、将来こういう費用がある可能性があります」

「新築は目先高いけど、当面の修繕リスクは低いです」

と整理できると、
人生設計がかなりしやすくなります。

 

③ 自分たちに合う選択を考えやすくなる

ここも重要です。

実際、お客様によって正解は全然違います。

例えば、

・DIYしたい人
・築古が好きな人
・駅近優先の人
・新築への憧れが強い人
・子育て安心感重視の人

全部違う。

だからこそ、
中古と新築の比較材料を整理できると、

「自分たちは何を優先したいんだろう」

を考えやすくなる。

営業がやるべきなのは、
ここを整理することなんです。

 

④ 人生の後悔を減らせる

住宅購入って、
人生の大きな意思決定です。

簡単にはやり直せません。

だからこそ、

・知らなかった
・比較してなかった
・考えてなかった

が後々かなり大きな後悔になります。

逆に、

「中古も新築も両方理解した上で、私たちはこっちを選びました」

となれば、
納得感が全然違う。

私は、
ここが営業の価値だと思っています。

単に物件を紹介するだけではなく、

“後悔しにくい意思決定”

を整理すること。

それが、
仲介営業の本質なんじゃないかなと思います。

逆に、伝えないとどうなるのか

ここも非常に重要です。

もし営業側が、

中古と新築の違いを説明しなかったら。

どうなるか。

営業側のデメリット

①「本来提案できた可能性」を潰してしまう

逆に、この中古・新築・リノベーションの違いをしっかり伝えないまま商談を進めてしまうと、営業側にはどんなデメリットがあるのか。

ここもかなり重要です。

まず一番大きいのは、

「本来提案できたはずの選択肢を、お客様に見せられていない」

ということです。

例えば、本当は少しエリアを広げれば新築も検討できた。
あるいは、リノベーション物件という選択肢もあった。

でも営業側が、

「この人、中古が希望なんだな」

だけで止めてしまったら、
お客様の可能性を狭めてしまう。

これは営業として非常にもったいないことです。

 

②売上機会を失う可能性もある

さらに現実的な話をすると、
営業マン自身の売上機会も失います。

中古仲介で終わるのか。
新築・リノベーション提案までできるのか。

これは売上構造も変わってきます。

もちろん、

「売上のために新築を押せ」

という話ではありません。

ですが、

“本来ご提案できた可能性”

を営業側が潰してしまうのは、
営業として機会損失です。

 

③契約後のクレームや不満が出る可能性

さらに怖いのは、
契約後の後悔やクレームです。

例えば中古住宅購入後に、

・給湯器交換
・外壁補修
・雨漏り
・シロアリ
・設備故障

などが発生したとき。

その時にお客様が、

「そんな話聞いてなかった」

となってしまう。

もちろん契約書上や重要事項説明では説明している。

ですが、お客様にとって、

“説明された”

と、

“理解・納得した”

は別です。

営業段階で、
ちゃんと比較材料として説明されていたか。

ここが非常に大きい。

 

④結果として、信頼を失う

つまり営業側としては、

・売上機会損失
・提案不足
・信頼低下
・クレームリスク
・後悔を生む営業になる

というデメリットがあるわけです。

だからこそ、
営業として大事なのは、

「どれを売るか」

ではなく、

「どこまで比較整理できているか」

なんだと思います。

お客様側のデメリット

①「知らないまま買う」が一番危険

では逆に、
お客様側はどうなのか。

こちらの方が、実はもっと深刻です。

なぜなら、
住宅購入は人生単位の意思決定だからです。

もし中古・新築・リノベーション、
それぞれの違いを理解しないまま進んでしまうと、

後々、

「こんなはずじゃなかった」

が起こる可能性があります。

 

②想定外の出費が発生する

例えば中古住宅。

目先は安く見える。

ですが購入後、

・修繕費
・設備交換
・外壁補修
・水回り故障
・建て替えリスク

など、
想定外の出費が発生する可能性があります。

しかも怖いのは、
住宅購入後というのは、

・家具
・引っ越し
・子育て
・教育費
・車
・生活費

など、
他にもお金が動く時期だということです。

そこに突然、
数十万〜数百万単位の修繕費が重なる。

これは家計に大きな影響を与えます。


③「実は新築も選べたかも」を後から知る

さらに精神的な後悔もあります。

例えば後から、

「実は同じ予算帯で新築いけたんだ」
「エリアを少し変えれば選択肢あったんだ」
「そんな比較、営業から聞いてなかった」

となったらどうか。

住宅は簡単に買い直せません。

だからこの後悔は、
数年単位で残ることがあります。

④人生設計そのものがズレる可能性もある

住宅購入は、
単なる「家選び」ではありません。

住宅ローン
教育費
老後資金
生活コスト

全部つながっています。

だからこそ、
最初の判断材料不足は、
後々の人生設計全体に影響する。

つまりお客様側としては、

・想定外の出費
・将来の家計圧迫
・選択肢不足
・情報不足による後悔
・人生設計のズレ

というデメリットが起こり得る。

だからこそ、
営業にはしっかりと比較整理する責任がある。

私はそう思っています。

結局、営業の仕事とは何なのか

私は、

不動産売買仲介営業の仕事は、

「物件を売ること」

ではなく、

“お客様が後悔しないための判断材料を一緒に整理すること”

だと思っています。

その結果、

中古を選ぶ人もいる。
新築を選ぶ人もいる。
リノベーションを選ぶ人もいる。

それでいい。

ただ、

知らないまま選ぶ

だけは避けなければいけない。

これは、不動産仲介営業の人には必ず心に留めておいていただきたい。


結び

新人営業マンほど、

「会社は何を売りたいんだろう? 自分は何を売ればいいんだろう?新築?中古?」

と考えてしまいがちです。

でも、本当に見るべきなのはそこではありません。

大事なのは、

お客様にとって、
どの選択が合っているのか。

そのために必要な比較材料を、
営業としてどれだけ整理できるか。

だと思います。

中古か。
新築か。
リノベーションか。

答えは、お客様ごとに違う。

だからこそ営業には、

“押し売り”

ではなく、

“整理力”

が必要なんだと思います。

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