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仮説思考力を高める「3つの鍛え方」【不動産売買仲介営業】

#不動産仲介#仮説思考#営業

営業現場ではよく、お客様の言葉を鵜呑みにせず、

「なぜですか?」
「もしかして、こういうことですか?」

と深掘りしろ、などと教わります。
これはとても大切な考え方です。

しかし、これだけではヒアリングにおける仮説思考力は十分に高まりません。

もう一つ、絶対に必要な要素があります。

それが、

「比較対象」と「情報・知識」

です。

比較対象や情報・知識が頭に入っていなければ、どれだけ深掘りの質問を覚えても、仮説の精度は上がっていきません。

今回の記事では、ヒアリング時の「比較対象」と「情報・知識」について、具体的に見ていきます。


仮説の精度を左右する「比較対象」とは

比較対象を知っているかどうかで、見えてくるものが変わります。

例えば、

「北総線は京成線よりも運賃が高い。」

これは比較した時の事実としてあります。

まず、この事前情報を知っているかどうかで、その場でのお客様との会話の深さが変わります。

他にも、

  • マンションは戸建てよりも窓が少ないため、暖気が逃げにくい
  • 西船橋駅は都内へのアクセスがいいが、津田沼駅の方が買い物の利便性は高い

こうした比較の情報は、日々の営業活動の中で少しずつ蓄積していくものです。

この比較対象を知っているからこそ、

「AエリアとBの方が買い物は便利ですが、比べてみてどうですか?」

という質問が自然に出てくるようになります。


比較対象と合わせて必要な「前提知識」

比較対象を並べられたとしても、それだけでは足りません。
もう一つ必要なのが、前提となる情報や知識です。

例えば、

  • あの駅前には、大型のイオンモールがある
  • 数年後、路線の間に新しい駅が開業する予定がある
  • あるエリアの土地価格が、この10年で大きく上昇している

こうした情報を知っているかどうかで、ヒアリングの質は大きく変わります。

前提知識があるからこそ、

「このエリアは、あの場所に新駅ができる予定なので、将来的に資産価値が上がる可能性があります。そのあたりは気にされますか?」

というような、具体的で深い質問が投げかけられるようになるのです。


比較対象・情報知識がないと起こる3つの問題

比較対象や情報知識が不足していると、仮説の精度は下がり、深掘りも浅くなります。

具体的には、次の3つの問題が起こります。


問題① お客様の言葉をそのまま受け取ってしまう

比較対象がなければ、お客様の言葉をそのまま受け取ることしかできません。

例えば、お客様が

「安心できる環境で子育てしたいので、あのエリアがいいです。」

と話したとします。比較対象を知らなければ、

「なるほど、あのエリアは安心できる街ですもんね。」

で会話が終わってしまいます。


しかし、比較対象を知っていれば、

「同じ沿線の別の駅も、最近は子育て世代に人気があると聞きますが、そちらは検討されましたか?」

というように、お客様自身も気付いていなかった選択肢を提示できます。

比較対象を持っているかどうかが、お客様に「考えるきっかけ」を与えられるかどうかを決めるのです。


問題② 本当に適した提案ができない

知識がなければ、質問はどうしても表面的になります。

例えば、お客様が

「A駅かB駅、どちらかで探したい。」

と言ったとします。知識がなければ、

「A駅とB駅、住むならどちらがいいですか?」

という質問だけで終わってしまいます。

しかし、知識があれば、

「A駅周辺は昨年から地価が10%ほど上昇していて、同じ条件で探すとB駅より予算が上がる可能性があります。その点は問題ないでしょうか?」

というように、具体的な数字を根拠にしたヒアリングができます。

知識の有無が、お客様の意思決定を本当に支援できるかどうかを分けているのです。


問題③ 仮説を立てても、根拠がない

情報がないまま仮説を立てると、その仮説は仮説ではなくただの想像で終わってしまいます。

例えば、お客様が

「新しくできた駅の周辺がいいです。」

と話したとします。

その駅がなぜ人気なのか?
通勤の利便性はどうか?
周辺にどんな施設があるのか?

こうした情報を知らなければ、

「なんとなく人気っぽいから、流行りの街が好ききなのかな。」

という浅い解釈で終わってしまいます。

情報を持っているからこそ、仮説には裏付けが生まれ、深掘りの質問にも説得力が出てくるのです。


仮説思考力(カモの数)を増やす3つの鍛え方

ここまでの内容を踏まえて、いよいよ本題です。

仮説思考の「かも」の数を、3匹から7匹、10匹、100匹へと増やしていくための、具体的な鍛え方を3つ紹介します。


鍛え方① 不動産に関するあらゆる基本情報を徹底的に覚える

まずは、不動産に関する基本情報を、とにかく増やしていくことです。

  • ローンや金利に関すること
  • 街並みの変化
  • 電車の路線や駅名
  • エリアごとの価格帯の違い

こうした情報は、1日や2日ですべて覚えられるものではありません。

だからこそ、

「1日1個、覚える」

これを積み重ねていくことが大切です。

物件の現地撮影に行く機会がある人は、その周辺情報もあわせてストックしておきましょう。

「この街にはイオンがある」
「ここは電車の音が響く」
「この道は夜の人通りがほとんどない」
「この駐車場にはマンションが建つらしい」

こうした小さな情報の積み重ねが、後のヒアリングの質を大きく変えていきます。


鍛え方② よく出る比較軸をストックしておく

次に大切なのが、よく出てくる比較の軸を把握しておくことです。

例えば、

  • 「A駅を希望するお客様は、B駅とも比較する可能性があるな」
  • 「C駅は快速が止まるけど、D駅は止まらないな」
  • 「通勤時間が延びても、予算を上げられる人は多いかもしれないな」

このように、「どのエリアとどのエリアが比較されそうか」「何と何を比較できそうか」を、常に頭の中でシミュレーションしておくのです。

この比較軸は、社内での会話からも増やすことができます。

先輩や上司が、明日の案内のお客様の資料を用意している場面。
案内後の振り返りをしている場面。

そこで交わされている会話の中に、実際の比較軸のヒントが隠れています。

まだ現場経験が少ないうちは、社内の周りの会話から積極的に学んでいきましょう。


鍛え方③ 日常会話の中で常に仮説を投げる

最後は、日常生活の中で仮説思考のトレーニングを積むことです。

例えば、友人が

「焼き鳥が食べたいな。」

と言ったとします。

ここで、

「もしかして、お肉が食べたい気分なのかな。」
「洋食ばかりが続いてて、和食系で気分を変えたいのかな。」
「煙モクモクな感じの居酒屋で、楽しく語りたいのかな。」

と仮説を立ててみます。

そして、

「もし和食系が良ければ、チキン南蛮と鳥刺しが美味しい店を知ってるけど、行かない?」

と、実際に言葉にしてぶつけてみるのです。

 

もう一つ例を挙げましょう。

友人が

「最近ランニングを始めたんだよね。」

と話したとします。

ここで、言葉の奥を想像してみます。

  • もしかして、モテたいのかも
  • もしかして、ダイエットしたいのかも
  • もしかして、ストレスが溜まっているのかも

そして、実際に

「体を鍛えて、モテたいとか思ってるの?」

と質問をぶつけてみる。
当たっていても、外れていても構いません。

質問を投げかけることによって、本当の答えが返ってきます。

この日常の積み重ねが、営業現場でのヒアリング力に直結していきます。 

 


おわりに

仮説思考力を高めるためには、

  • 言葉の奥を想像すること
  • 比較対象を知ること
  • 前提となる情報・知識を持つこと

この3つが欠かせません。

そして、その仮説思考力を鍛える方法は、

・不動産の基本情報を徹底的に覚える
・よく出る比較軸をストックする
・日常会話の中で常に仮説を投げる

この3つのトレーニングに集約されます。

不動産営業は、どこまでいっても情報が命です。

知識や情報を持っているからこそ、お客様の言葉の奥にある本当の判断基準に近づくことができます。

物件の現地撮影に行きながら、車内の会話を聞きながら、日々の生活の中で少しずつ情報をアップデートしていきましょう。

今日からできることは、たった一つで構いません。

「もしかして、◯◯かも」

この仮説を、まず一つ増やすことから始めてみてください。

この記事の著者

関根 祐太

株式会社Re-Branding 代表取締役
不動産 売買仲介営業 専門/研修講師
 
不動産をはじめ10業種以上の営業現場経験を経て、2023年に株式会社Re-Brandingを設立。1on1などを通して社員一人ひとりの本音や課題に向き合い、組織力を強化する支援を行う。離職率40%削減や売上140%向上といった成果を創出。
 
【専門分野】
不動産売買仲介/離職防止と組織力強化/営業プロセス改善
  
「一人ひとりの本音に向き合い、課題の本質を共に探り、解決へ導く」ことを信条に、企業の未来を共に形作るパートナーとして活動中。

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