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ヒアリングが下手な営業マンの3大原因【不動産売買仲介営業】

#ヒアリング#不動産仲介#営業

営業マンが提案するためには、お客様が今どんな状況にいて、どこへ向かいたいのかを理解する必要があります。

しかし、ここで多くの新人営業マンが壁にぶつかります。

  • 「何を聞けばいいか分からない」
  • 「聞いているつもりなのに、話が浅く終わってしまう」
  • 「お客様の本音や判断基準が見えてこない」
  • 「マニュアル通りに聞いているのに、会話がぎこちない」

これは、営業センスがないからではありません。


多くの場合、原因はもっとシンプルです。

普段から、相手の答えを深掘りする習慣がない。

まずはここを理解する必要があります。

今回は、ヒアリングが苦手な営業マンに共通する原因を整理していきます。


新人営業がヒアリングでぶつかる4つの壁

営業未経験の人がヒアリングを始めると、必ずと言っていいほど同じ壁にぶつかります。

大きく分けると、次の4つです。


1つ目:質問の意図が分からない


マニュアルには質問項目が書かれていると思います。

しかし、その質問を「なぜ聞くのか?」が分かっていなければ、ただ順番に質問を読んでいるだけになります。

例えば、

「購入時期はいつ頃ですか?」

と聞くとしても、この質問は単に時期を確認するためだけではありません。

  • 今すぐ動ける人なのか。
  • 半年後でもいい人なのか。
  • 本当に購入する理由がある人なのか。
  • 住宅ローンや家族相談を進める必要があるのか。

こうした判断につなげるために聞いています。

質問には、必ず目的があります。

その目的が分からないまま聞いてしまうと、ヒアリングはただの確認作業になります。


2つ目:お客様の本当の価値観や判断基準が見えない

お客様は、

「駅近がいいです」
「もう少し広い家がいいです」
「予算は抑えたいです」

といった希望を話してくれます。

しかし、本当に大事なのはその言葉そのものではありません。

  • なぜ駅近がいいのか。
  • なぜ広さを求めているのか。
  • なぜ予算を抑えたいのか。

その奥にある価値観や判断基準を見つけなければ、お客様に合った提案はできません。

表面的な条件だけを聞いていると、物件紹介はできます。

しかし、意思決定の支援はできません。


3つ目:マニュアルの言葉をそのまま使ってしまう

社内で準備されているマニュアルを学ぶことは大切です。

しかし、マニュアルの文章をそのまま読み上げるだけでは、お客様との自然な会話にはなりません。

お客様からすると、質問されているというより、確認されているように感じます。

営業マン自身も、言葉の意味を理解していないまま聞いているため、返答に対して深掘りができません。

マニュアルは暗記するものではあります。

しかし、最終的には自分の言葉で使えるようにするものです。


4つ目:質問のボキャブラリーが少ない

同じことを聞くにしても、聞き方はいくつもあります。

「なぜですか?」

だけでは、会話が詰まりやすくなります。

例えば、

「そう思われたきっかけはありますか?」
「以前からそう考えていたんですか?」
「ご家族でも同じ考えですか?」
「それは絶対条件に近いですか?」
「逆に、そこが満たされないと難しいですか?」

このように、聞き方の引き出しが増えるほど、お客様は答えやすくなります。

ヒアリングが上手い人は、特別な質問をしているわけではありません。

相手が答えやすい形に、質問の角度を変えているのです。


ヒアリング下手の原因①普段から深掘りする習慣がない

ここからが本題です。

ヒアリングが下手な人の一つ目の原因は、普段から相手の回答を深掘りする習慣がないことです。

これは営業経験の有無に関係ありません。

そもそも日常生活で、相手の言葉を深く掘り下げる場面はあまりありません。

友人が、

「最近疲れてるんだよね」

と言った時、多くの人は、

「大変だね」
「忙しいんだね」
「無理しないでね」

くらいで会話を終えます。

そこから、

「何が一番疲れる原因なの?」
「いつ頃からそう感じているの?」
「仕事の量が多いのか、人間関係なのか、どっちが近い?」

と深掘りする人は多くありません。

つまり、営業現場で急に深く聞こうとしても、できなくて当然なのです。
やったことがないからです。


ヒアリングは才能ではなく、習慣の産物です。
最初から自然にできる人の方が少ないです。

自転車に乗ったことがない人が、いきなり乗れないのと同じです。

乗ったことがないから乗れない。
練習していないからできない。

ヒアリングも同じです。相手の言葉に対して、

「それはどういう意味だろう?」
「なぜそう思ったんだろう?」
「他にも理由があるのだろうか?」

と考える習慣がなければ、営業現場で深掘りできるはずがありません。


深掘りできない人は、会話を早く終わらせている

ヒアリングが浅い人は、質問が少ないだけではありません。

会話を早く終わらせてしまっています。

お客様が、

「駅近がいいです」

と言った時に、

「分かりました。駅近ですね」

で終わってしまう。

これでは、ただ条件をメモしただけです。
本来であれば、ここからがヒアリングです。

「駅近を希望される理由は、通勤ですか?」
「今の住まいで駅までの距離に不便を感じていますか?」
「徒歩何分以内だと、生活しやすい感覚ですか?」
「駅近と広さなら、どちらを優先したいですか?」

ここまで聞いて初めて、お客様の判断基準が見えてきます。

  • 駅近という言葉の裏に、通勤の負担があるのか。
  • 子どもの通学があるのか。
  • 将来的な資産性を気にしているのか。
  • 車を持たない生活を考えているのか。

その理由によって、提案すべき物件は変わります。


ヒアリング下手の原因②「これが答えだろう」と勝手に解釈してしまう

ヒアリングが下手な人の二つ目の原因は、深掘りが浅いまま、勝手に解釈してしまうことです。

これは非常に多いです。

お客様が少し話しただけで、

「たぶんこういうことだろう」
「きっとこう考えているんだろう」
「この条件が一番大事なんだろう」

と営業マン側が決めつけてしまう。

しかし、それはお客様の答えではありません。

営業マンの解釈です。
ここを間違えると、提案がズレます。


例えば、お客様が、

「津田沼あたりがいいです」

と言ったとします。

この言葉だけを聞いて、

「津田沼希望ですね」

と決めつけるのは危険です。

本当に津田沼でなければいけないのか。
東船橋ではダメなのか。
船橋では広すぎるのか。
稲毛では遠すぎるのか。
総武線沿線ならいいのか。
職場までの距離なのか。
実家との距離なのか。
単に知っている街が津田沼だけなのか。

確認すべきことはいくつもあります。

それなのに、営業マンが勝手に、

「この人は津田沼希望だ」

と判断してしまうと、提案の幅が狭くなります。


お客様の言葉は大切です。

しかし、お客様が言ったことがすべてではありません。

お客様自身も、まだ考えを整理できていないことがあります。

  • 何となく知っている地名を言っているだけかもしれません。
  • 過去の経験から、何となく良さそうだと思っているだけかもしれません。
  • 家族の誰かが言った言葉を、そのまま話しているだけかもしれません。

だから営業マンは、言葉をそのまま受け取るだけではなく、その背景を確認しなければいけません。

ここで必要なのが、事実と解釈を分けることです。


「〜だと思います」は危険な口癖

営業現場で新人の報告を聞いていると、ある言葉が非常によく出てきます。

「お客様は津田沼がいいんだと思います。」

「明日には返答が来ると思います。」

一見、普通の報告に聞こえるかもしれません。

しかし、この「思います」という言葉には注意が必要です。

なぜなら、その内容が事実ではなく、営業マン自身の解釈である可能性が高いからです。

例えば、

「お客様は津田沼がいいんだと思います。」

という報告を受けたら、私は必ずこう聞き返します。

「津田沼以外は絶対に嫌だと、お客様は言っていましたか?」
「東船橋や船橋でも良い可能性はありませんか?」

もし答えられないのであれば、それは事実ではありません。

営業マンがそう思っているだけです。

同じように、

「明日には返答が来ると思います。」

という報告もよくあります。

しかし、

「お客様が明日の10時に返答すると約束している。」

のであれば、

「明日の10時までに返答をいただける予定です。」

と事実で報告できるはずです。

一方で、

「たぶん来ると思います。」

というのであれば、それは期待や予想でしかありません。

営業では、

事実と解釈を混ぜないこと

が非常に重要です。

この意識があるだけで、ヒアリングの精度も、上司への報告の質も大きく変わります。


ヒアリング下手の原因③「これ以上聞いたら嫌われるかも」と思ってしまう

ヒアリングが苦手な人の三つ目の原因。

それが、質問を重ねることへの抵抗感です。

営業未経験の人ほど、

「これ以上聞いたら失礼かな。」
「嫌われたらどうしよう。」
「しつこいと思われないかな。」

と考えてしまいます。

もちろん、この気持ちはよく分かります。
しかし、多くの場合、その不安の正体は、

やったことがない

というだけです。


自転車に初めて乗る時を思い出してください。

転びそうで怖い。
バランスが取れない。
だから乗れない。

でも何度も練習すると、
今では何も考えずに乗れるようになります。


ヒアリングも同じです。

最初は質問すること自体に勇気が必要です。

しかし、経験を積めば、

「ここはもう一歩聞いても大丈夫だな。」

という感覚が自然と身についてきます。

怖いのではありません。慣れていないだけなのです。


営業マンは「会話」を武器にする仕事

美容師にはハサミがあります。
料理人には包丁があります。
大工には工具があります。

では、営業マンの武器は何でしょうか。

それは、会話です。

会話の中で相手を理解し、
会話の中で信頼関係を築き、
会話の中で意思決定を支援していきます。

だから営業マンにとって、
質問する力は特別なスキルではありません。

仕事そのものなのです。


おわりに

ヒアリングが下手な人には、共通する原因があります。

それは、

  • 普段から深掘りする習慣がない。
  • 勝手に解釈してしまう。
  • 踏み込むことを怖がってしまう。

どれも、才能の問題ではありません。

営業経験が浅い人なら、誰でも最初は当てはまるものです。

だからこそ、大切なのは、

「聞くことが苦手な自分」を責めることではなく、「聞く習慣」を少しずつ身につけること。

今日から一つだけでも構いません。

相手の言葉に対して、

「なぜですか?」
「それはどういうことですか?」
「きっかけは何だったんですか?」

と、もう一歩だけ踏み込んでみてください。

その小さな積み重ねが、やがて営業現場でお客様の本音を引き出し、信頼関係を築き、成果につながるヒアリング力へと成長していきます。

この記事の著者

関根 祐太

株式会社Re-Branding 代表取締役
不動産 売買仲介営業 専門/研修講師
 
不動産をはじめ10業種以上の営業現場経験を経て、2023年に株式会社Re-Brandingを設立。1on1などを通して社員一人ひとりの本音や課題に向き合い、組織力を強化する支援を行う。離職率40%削減や売上140%向上といった成果を創出。
 
【専門分野】
不動産売買仲介/離職防止と組織力強化/営業プロセス改善
  
「一人ひとりの本音に向き合い、課題の本質を共に探り、解決へ導く」ことを信条に、企業の未来を共に形作るパートナーとして活動中。

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