話し方で営業は変わる!タイプ別コミュニケーション戦略
営業や交渉の場では、「何を話すか」よりも「どう伝えるか」が圧倒的に重要です。
この「どう伝えるか」の要素には、声のトーン、話すスピード、表情、身振り手振りなどが含まれ、相手のタイプに応じて適応できるかどうかが成約率を大きく左右します。
しかし、多くの人は相手のタイプに関係なく同じ調子で話してしまいがちです。
その結果として
- 相手との信頼関係が築けない
- 言いたいことが伝わらない
- 成約率が低下する
といった問題が発生しています。
本記事では、
なぜ一つの伝え方では全員に通用しないのか?
人のコミュニケーションタイプに応じた伝え方とは?
声・表情・身振りなど、どこをどう変えるべきか?
について詳しく解説します。
なぜ「一つの伝え方」では全員に通用しないのか?

日常の会話では「自分らしく話す」「自分の話しやすいように話す」ことが重要だと考える人が多いでしょう。
しかし、営業や交渉の場では「相手に伝わる話し方」をしなければなりません。
なぜなら、人によって「受け取り方」や「心地よいと感じる伝え方」が異なるからです。
例えば、あなたが普段通りの落ち着いたトーンで話しているとしましょう。
スピード感を重視する人 には「のんびりしているな」と思われるかもしれません。
感情が豊かな人 には「退屈だ」と感じられることもあります。
つまり、同じ一つの話し方をすべての相手に適用しようとすると、どれだけ素晴らしい話を準備したとしても、全員に伝えたい内容が届かず、相手の心を動かせないのです。
コミュニケーションタイプの4分類と特徴

心理学者デビッド・メリルとロジャー・リード(1981)は、人間のコミュニケーションタイプを 4つ に分類しました。
この分類を理解すると、「どのような話し方が伝わりやすいか」「どのような伝え方がNGなのか」が明確になります。
タイプ | 特徴・一般的なイメージ | 具体例 |
---|---|---|
ドライバー(支配型) | 結論重視・スピード感・結果志向・自己主張が強い | 経営者、リーダー、体育会系の上司 |
エクスプレッシブ(社交型) | 感情豊か・ノリが良い・人とのつながりを大切にする | イベントMC、営業職、人気インフルエンサー |
アミアブル(協調型) | 共感重視・優しい・人間関係を大切にする | 受付スタッフ、カウンセラー、福祉職 |
アナリティカル(分析型) | 論理的・データ重視・慎重派 | 研究者、エンジニア、銀行員 |
ドライバー(支配型)
特徴:
- 結論を重視し、効率を求める。
- 指示する立場が多く、自分のペースで物事を進めたがる。
- 合理的な判断を好み、感情論を嫌う。
伝え方のポイント:
- 声のトーン:低めで落ち着いた声
- 話すスピード:端的でスピーディー
- 表情:無駄な笑顔は不要、キリッと真剣な顔
- ジェスチャー:必要最低限、指示を出すような動きが効果的
✖️ NGな伝え方
× 感情を込めすぎる
× 長々と説明する
× こちらの意見を押しつける
エクスプレッシブ(社交型)
特徴:
- 話すことが好きで、エネルギッシュな会話を好む。
- 感情豊かで、テンションが高い方が心地よい。
- 人とのつながりやストーリーに共感しやすい。
伝え方のポイント:
- 声のトーン:明るく元気に
- 話すスピード:テンポよく、勢いをつける
- 表情:笑顔や驚きの表情を多用する
- ジェスチャー:大きく動き、身振り手振りを交える
✖️ NGな伝え方
× 無表情で単調に話す
× データや理屈ばかり説明する
× 低いトーンで淡々と話す
アミアブル(協調型)
特徴:
- 人との調和を大切にし、安心感を求める。
- 話を聞くことが得意で、対立を避けたいと思っている。
- 共感されると心を開きやすい。
伝え方のポイント:
- 声のトーン:柔らかく落ち着いたトーン
- 話すスピード:ややゆっくり、安心感を持たせる
- 表情:優しく微笑む
- ジェスチャー:オープンな姿勢、相手の話に頷く
✖️ NGな伝え方
× ぶっきらぼうな話し方
× 早口で畳みかける
× 高圧的な態度
アナリティカル(分析型)
特徴:
- データや論理的な説明を好む。
- 感情よりも客観的な情報を重視する。
- 慎重で、決断に時間がかかることが多い。
伝え方のポイント:
- 声のトーン:落ち着いて静かに
- 話すスピード:ゆっくりめで丁寧に
- 表情:冷静さを保つ
- ジェスチャー:最小限、誠実な態度を示す
✖️ NGな伝え方
× 感情的に押し付ける
× ノリや勢いで話す
× 抽象的な表現を使う
相手のタイプを見極める力が「伝わる営業」のカギ

では、どうすれば相手のタイプを見極め、適切な伝え方ができるのか?
ここでは、相手のタイプを素早く見極めるためのヒントを紹介します。
相手のタイプを見極めるための3つの視点
相手がどのコミュニケーションタイプに属しているのかを見極めるために、以下の3つのポイントに注目 しましょう。
話し方の特徴を観察する
相手がどのように話しているかを意識してみると、その人のタイプがある程度予測できます。
- ドライバー(支配型) → 結論を求める、短いフレーズで話す、スピードが速い
- エクスプレッシブ(社交型) → 感情豊かに話す、話が長くなる、ノリが良い
- アミアブル(協調型) → 優しく丁寧に話す、相手の意見を聞く、話すペースがゆっくり
- アナリティカル(分析型) → 論理的に話す、事実やデータを挙げる、慎重に言葉を選ぶ
このような分析から、会話の中で「どの話し方が自然なのか?」を意識すると、相手のタイプを特定しやすくなります。
表情やジェスチャーに注目する
話し方だけでなく、表情や身振り手振りにも相手のタイプが現れます。
- ドライバー(支配型) → 表情が厳しく、身振りが少ない
- エクスプレッシブ(社交型) → 表情が豊かで、身振り手振りが大きい
- アミアブル(協調型) → 優しい表情で、頷く回数が多い
- アナリティカル(分析型) → 感情をあまり表に出さず、身振りも少なめ
営業の場面では、言葉だけでなく、「相手の視線」「手の動き」「顔の表情」 も観察しながらコミュニケーションを取ることが重要です。
何を重視するかを確認する
相手が会話の中でどんなポイントを気にするのかを見れば、その人のタイプをより正確に判断できます。
- ドライバー(支配型) → 「結論は何?」「要点だけ教えて」
- エクスプレッシブ(社交型) → 「それってワクワクする?」「面白い話を聞きたい」
- アミアブル(協調型) → 「他の人はどう思っている?」「みんなが納得できる話?」
- アナリティカル(分析型) → 「根拠は?」「データはある?」
商談の冒頭で「この人が何を気にしているのか?」を探ることで、相手のタイプを特定しやすくなります。
このように相手に合わせて声のトーンや話すスピード、表情、身振りを変えることで、より「伝わる」話し方ができるようになります。
自分自身が慣れ親しんだ伝え方は、特定のタイプにはうまく適応できる一方で、苦手なタイプには伝わりにくいことがあります。そのギャップを見極め、意識的に調整することが営業成功のカギとなるのです。
まとめ:「伝える」ではなく「伝わる」営業へ
本記事では、「相手に合わせて話し方を変える」ことの重要性について解説しました。
① 一つの伝え方では全員に通用しない
「自分らしい話し方」を貫いても、相手のタイプによっては全く伝わらない可能性がある。
② コミュニケーションタイプを知ることがカギ
は「ドライバー」「エクスプレッシブ」「アミアブル」「アナリティカル」の4タイプに分かれ、それぞれ異なる話し方を好む。
③ 相手を観察し、適切な伝え方を選ぶ
話し方、表情、身振り、何を重視するかに注目すれば、相手のタイプが見えてくる。
④ 営業力の差は「コミュニケーション適応力」
トップ営業は「自分の話し方」ではなく、「相手にどう伝わるか」を考えている。
営業で成功するためには、「伝えたいことを話す」「自分の話しやすいように話す」ではなく、「相手に伝わる話し方を選ぶ」ことが必要です。
あなたの営業スタイルをほんの少し調整するだけで、相手の反応は大きく変わります。
ぜひ、今日から 「この人にはどう話せば伝わるか?」 を意識して、実践してみてください。