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購入意思が高いお客様・低いお客様、どう見極めるのか?【不動産売買仲介営業】

先日、新人営業マンからこんな質問を受けました。

「購入意思の高さの見極め」のやり方がイメージできません。
購入動機が明確で、言語化できるお客様は購入意思が高いのかなと考えています。購入意思の高いお客様と、低いお客様はどのように見極めればよいのでしょうか?

非常に良い質問だと思います。

私は、購入意思の高さを見極める一つの判断基準として、「お客様が住宅購入に対して、どれだけ迷いを抱えているか」を見ています。

購入意思が高い人は、迷いが少ない。
反対に、購入意思が低い人は、迷い・不安・疑念が多い。

もちろん、これが絶対的な正解というわけではありません。

今回は、私自身の営業経験を交えながら、購入意思を見極める考え方と、お客様の購入意思を高めるために営業マンが果たすべき役割について解説します。

 

購入意思が「高い人」と「低い人」は何が違うのか?

購入意思が高い人は購入する理由や条件が具体的

購入意思が高いお客様の特徴として、購入する理由や希望条件、購入時期などが具体的になっていることが挙げられます。

例えば、私が不動産仲介営業の現場に出ていた頃に担当した、離婚を控えた女性のお客様の話です。

当時40歳前後の女性で、葛飾区の金町周辺に住んでいた方。
物件のお問い合わせをいただき、お話を伺ってみると、離婚することが決まっており、現在の住まいを出る必要があるとのこと。
その女性は介護関係の仕事をされており、職場を変える予定はありません。
通勤も徒歩や自転車で行ける距離だったため、次の住まいも現在の職場から大きく離れない範囲で検討。
お子さんはおらず、離婚後は一人暮らしになることも決まっていた。

さて、このお客様の購入意思は高いでしょうか。それとも低いでしょうか。

おそらく、多くの営業マンが「購入意思は高そうだ」と感じるのではないでしょうか。

・・・では、なぜそう感じるのでしょうか?

私は、住宅購入に関する迷いが非常に少ないから、だと考えています。

 

例えば、【購入時期】について。

離婚して現在の住まいを出ることが決まっている以上、1年も2年も購入を先延ばしにする理由はありません。

次に、【購入エリア】

職場を変える予定がないため、通勤できる範囲という条件が明確です。
子どもの学区や保育園、進学先などを考える必要もありません。

家族との相談についても、離婚後に一人で住む家ですから、ご主人やお子さんの意見を調整する必要はありません。

つまり、購入時期、エリア、家族構成、生活環境など、住宅購入に関わる多くの条件が、すでに決まっていたのです。

 

もちろん、住宅ローンや予算については、私とお会いしてから具体的に話し合いました。

初回の接客では、3時間ほどかけて資金計画や購入時期、物件の選び方について整理しました。

そして、結果として2回目の接客で成約に至りました。

 

ここで重要なのは、購入意思が高かったから簡単に契約できたという話ではありません。

すでに多くの判断が済んでいたからこそ、残っている問題を整理することで、購入を決断できる状態になったということです。

 

購入意思が低い人は、迷い・不安・疑念が多い

では、別のケースを考えてみましょう。

30代の夫婦と、1歳・3歳の子ども2人がいる4人家族。
ご主人は全国に複数の事業所がある会社で働いており、今後転勤する可能性がある。
奥様は現在パートで働いており、ようやく仕事にも慣れてきたところ。
上の子は保育園に通っていて、これから幼稚園への入園も考えている。

このご家族が「そろそろ家を買おうかなと思っているんです」と相談に来たとします。

さて、このお客様は、住宅購入を考えるうえで、どのような迷いが生まれる可能性があるでしょうか?

いかがでしょうか。
この他にもあると思いますが先ほどの離婚を控えた女性と比較すると、明らかに迷いの数が多いですよね。

もちろん、このご家族にも家が欲しいという気持ちはあるでしょう。

 

しかし、購入に向けて整理しなければならないことが多いため、購入意思が十分に固まっていない可能性があります。

30代の子育て世帯だから購入意思が低い、ということではありません。

住宅購入に必要な判断が、まだ十分に整理されていないことが問題なのです。

私は、購入意思が低いお客様には、次のような状態が見られると考えています。

 

 

つまり、購入意思の高さを見極めるうえで重要なのは、住宅購入に必要な判断が、どこまで済んでいるのかということです。

 

 

希望条件が明確でも、購入を決断できるとは限らない

ただし、ここで注意してほしいことがあります。

購入条件が具体的であることと、購入を決断できることは別物だということです。

例えば、

「**市で、予算は5,000万円以内。3LDK以上で、駅から徒歩15分以内が希望です。半年以内には購入したいと考えています」

このお客様は、かなり具体的に希望条件を言語化できています。

 

一見すると、購入意思は高そうです。
しかし、ここで確認すべきことがあります。

「今日、希望条件に合う物件が見つかったとして、本当に購入を決断できるのか?」

ということです。

 

例えば、

「まだ探し始めたばかりなので、いろいろ見てから決めたいです」

という答えが返ってきたとします。

では、

・なぜいろいろ見たいのでしょうか?
・また、半年以内に購入したいということですが、なぜ半年なのでしょうか?
・3ヶ月以内ではダメなのでしょうか?

希望条件が明確であっても、購入に対する迷いや障壁が残っている可能性があります。

だからこそ、営業マンは希望条件の具体性だけで購入意思を判断するのではなく、今購入することに対して、何が整理できていて、何が整理できていないのかを把握する必要があるのです。

 

購入意思を見極めるために何をヒアリングするのか?

最初に深掘りすべきは、本当の購入動機

購入意思を見極めるために、私がまず重要だと考えるのは、「なぜ住宅購入を考え始めたのか?」という購入動機の深掘りです。

 

例えば、

「今の家が手狭になってきたので、そろそろ家を買おうかなと思っているんです」

というお客様がいたとします。

 

このとき、「手狭になったから」という理由だけでヒアリングを終わらせてはいけません。

・なぜ、手狭だと感じるようになったのでしょうか?
・手狭なことで、今の生活にどのような問題が起きているのでしょうか?
・新しい家ではどのような生活を実現したいのでしょうか?

また、住宅購入を考え始めたきっかけは、必ずしも現在の住まいへの不満だけとは限りません。

 

例えば、友人の新居に遊びに行ったことがきっかけかもしれません。

きれいなリビングや広い庭を見て、
「いいなあ。自分たちもこんな家に住みたいな」
と思った。

そんな人間味のある感情が、住宅購入のきっかけになっていることもあるでしょう。

私は、こうした本音こそ、しっかり聞き取る必要があると考えています。

 

なぜなら、お客様が住宅購入を通じて何を叶えたいのかを理解しなければ、購入意思の本質は見えてこないからです。

 

例えば、同じ「今の家が手狭だから」という理由でも、

「子どもに自分の部屋を用意してあげたい」

というお客様と、

「友人のような広いリビングで家族と過ごしたい」

というお客様では、住宅購入に求めているものが異なります。

 

表面的な理由だけでは、お客様の本当の願望や判断基準は分かりません。

だからこそ、購入を考え始めたきっかけや、実現したい生活まで深掘りする必要があるのです。

 

「買えない理由」「買わない理由」の背景を確認する

購入動機と同時に、購入を妨げている迷いや不安を把握することも重要です。

例えば、

「ローン金利が上がってるし…」
「子どもがまだ小さいので、今は忙しくて……」
「学校のこともあるので、もう少し先でもいいかなと思っているんです」

このような言葉を聞くことがあります。

もちろん、住宅ローンや子どもの学校の問題は、住宅購入において考慮すべき重要な要素です。

 

しかし、私はこうした言葉を聞いたとき、もう一つの可能性を考えます。

それは、「お客様自身が、買えない理由や買わない理由を探しているのではないか?」ということです。

 

例えば、「今は子育てが忙しいから」という理由。

では、子どもが大きくなれば、本当に忙しくなくなるのでしょうか・・・?

 

小学生になれば習い事や学校行事があり、中学生になれば部活動の送迎やお弁当の準備が必要になるかもしれません。

子どもが成長したからといって、必ずしも生活に余裕が生まれるわけではないのです。

 

それにもかかわらず、「今は忙しいから」という理由だけで住宅購入を先延ばしにしていても、状況が変わらない可能性があります。

重要なのは、お客様が口にした理由が、本当に購入を先延ばしにすべき問題なのかを明らかにすることです。

 

例えば、「住宅ローンが不安」というお客様であれば、

  • 毎月の返済額が不安なのか?
  • 将来の収入に不安があるのか?
  • 住宅ローンの審査に通るかどうかが不安なのか?

というように、不安の中身を具体化する必要があります。

 

今購入することにはどのようなメリットがあるのか。
購入を先延ばしにすることでどんな問題が発生するのか。

そうした点を整理しながら、購入時期について判断できる状態をつくっていくことが重要です。

 

お客様の発言の裏側を勝手に推測しない

ヒアリングにおいて、もう一つ重要なのは、お客様の発言の意図を営業マンが勝手に決めつけないことです。

例えば、

「まだ探し始めたばかりなので、いろいろ物件を見たいんです」

というお客様がいたとします。

 

この言葉を聞いて、

「まだ購入意思が低いんだな」
「とりあえず何件か案内すればいいかな」

と判断してしまう営業マンもいるかもしれません。

 

しかし、実際には、

  • すでに他社で気になる物件を見つけている
  • 購入候補があり、比較対象として今回の物件を見に来た
  • 本当に何を基準に物件を選べばよいか分からない

といった可能性もあります。

 

同じ「いろいろ物件を見たい」という言葉でも、その背景は異なるのです。

だからこそ、

「これまでに何件くらい物件をご覧になりましたか?」
「すでに気になっている物件はありますか?」
「何か比較したいポイントがあるのでしょうか?」

といった質問を通じて、事実を確認する必要があります。

 

 

そして、もし本当に「いろいろ見ないと決められない」というお客様であれば、物件を次々に紹介する前に、購入の判断基準を整理するべきでしょう。

なぜなら、物件は、たくさん見れば決められるというものではないからです。

A物件は日当たりが気になる。
B物件は道路の音が気になる。
C物件は間取りが良いけれど、予算が高い。

このように、何件見ても決断できないお客様がいます。

 

では、本当に物件を見る数が足りないのでしょうか・・・?

私は、判断基準が明確になっていない可能性があると考えています。

何を最も優先するのか。
絶対に譲れない条件は何なのか。
反対に、どこまでなら妥協できるのか。

こうした判断基準が曖昧なままでは、物件を見れば見るほど迷ってしまうこともあります。

 

だからこそ、私はこのようなお客様に対して、

「もちろん、いろいろな物件を見比べることは大切だと思います。ただ、何を基準に判断するのかが明確になっていないと、何件見ても迷ってしまう可能性があります。まずは、何を基準に購入を決めるのか、一緒に考えてみませんか?」

というアプローチが必要だと考えています。

購入意思を見極めるとは、単に「買いたい気持ちが強いかどうか」を確認することではありません。

お客様が何を考え、何に迷い、何を基準に判断しようとしているのか。
そこまで理解することが、購入意思を見極めるためのヒアリングなのです。

 

購入意思を高める営業はお客様の迷いに一つずつ白黒をつける

「転勤があるかもしれない」で終わらせない

購入意思を高めるために営業マンがすべきことは、お客様が抱えている迷いや不安を一つずつ明らかにし、判断できる状態をつくることです。

 

例えば、第1章で紹介した30代の子育て世帯。

ご主人が、
「転勤する可能性があるので、今家を買っていいのか迷っているんです」
と話したとします。

このとき、
「そうですよね。転勤があると心配ですよね」
と共感するだけでは、何も解決しません。

 

そもそも、転勤する可能性があるとは、具体的にどういうことなのでしょうか。

  • 転勤する可能性は、どの程度あるのか?
  • 転勤するとしたら、何年後くらいなのか?
  • 転勤先は、どこになる可能性があるのか?
  • 住宅購入後に転勤となった場合、単身赴任という選択肢はあるのか?

こうした質問を通じて、不安の中身を具体化していきます。

 

もしかすると、転勤の可能性はあるものの、実際にはほとんど転勤が発生していない会社かもしれません。

あるいは、転勤する可能性が高くても、本人は単身赴任を選ぶつもりかもしれません。

 

反対に、数年以内に家族全員で引っ越す可能性が高いのであれば、購入時期を慎重に考える必要があるでしょう。

重要なのは、「転勤があるかもしれない」という漠然とした不安を、具体的に判断できる問題へ変えていくことです。

 

お客様が判断できていないことを一緒に判断していく

もう一つ、奥様のパートの問題を考えてみましょう。

「今のパート先にようやく慣れてきたので、引っ越してまた仕事を探すのがちょっと・・・。」

というお客様がいたとします。

 

では、何が問題なのでしょうか。

・新しい仕事が見つからないことなのか?
・希望する勤務時間で働けるかどうかなのか?
・今と同じ収入を確保できるかどうかなのか?

まずは、そこを明確にする必要があります。

 

例えば、

「次の勤務先は、自転車で何分くらいの範囲が希望ですか?」
「勤務時間は、今と同じくらいを考えていますか?」
「希望するエリアには、どのような求人があるのでしょうか?」

と確認していく。

必要であれば、一緒に求人情報を調べてみてもいいでしょう。

 

実際に希望エリアの求人を確認すれば、「仕事が見つからないかもしれない」という不安について、具体的な判断材料が得られます。

もちろん、求人があるからといって必ず採用されるとは限りません。

 

しかし、何も分からないまま不安を抱えている状態と、具体的な情報を得たうえで判断できる状態では、まったく違います。

私は、ここまで踏み込んでお客様と向き合うことが重要だと考えています。

お客様が自分自身で判断できていないことを、営業マンが一緒に整理し、判断できるようにしていく。

これが、私たち不動産売買仲介営業の仕事の一つだと思います。

 

「大丈夫」を積み上げることで購入意思は固まっていく

私は、購入意思を高めるという行為を、単にお客様の気持ちを感情的に盛り上げることだとは考えていません。

大切なのは、住宅購入という大きな目標を、具体的な判断項目に細分化し、一つずつ「これで大丈夫だ!」という判断を積み上げていくことです。

 

例えば、

「5,000万円の物件を購入したいけれど、返済できるか不安です」

というお客様がいたとします。

このとき、営業マンが、

「大丈夫ですよ。皆さん住宅ローンを組んでいますから」

と言っても、何の根拠にもなりません。

 

そうではなく、具体的な資金計画を立てる。
購入価格、借入金額、金利、返済期間などを踏まえ、毎月の返済額を算出する。

さらに、現在の生活費や将来の教育費なども考慮しながら、無理のない支払いなのかを確認していきます。

その結果、お客様自身が、

「この金額なら、今の生活にも無理がなさそうですね」

と納得できれば、住宅ローンに対する迷いが一つ整理されます。

 

購入エリアや購入時期についても同じです。

希望する場所で通勤や通学に問題がないのか。
希望エリアに物件がない場合、どこまで範囲を広げられるのか。

なぜ今購入するのか。
半年後や1年後ではダメなのか。

こうしたことを一つずつ整理し、

「お金は大丈夫」「場所も大丈夫」
「通勤も問題ない」「家族も賛成している」
「購入時期も明確になった」

という判断を積み上げていくのです。

 

これは、大きな目標を具体的な行動計画に落とし込むことと同じです。

漠然とした「家が欲しい」という願望を、実現可能な購入計画に変えていく。

住宅購入への夢を、現実に落とし込んでいくのです。
そして、「大丈夫」という判断が増えるほど、購入への迷いは少なくなります。

その結果として、購入意思が固まっていくのです。

 

売れる営業マンはお客様が判断できる状態をつくれる

私は、不動産売買仲介営業で成果を出すために必要な能力の一つが、お客様の判断基準を明確にし、迷いに一つずつ白黒をつけられることだと考えています。

「転勤があるかもしれない」
という不安に対して、具体的な転勤の可能性や、その場合の選択肢まで整理できるか。

「住宅ローンが不安」
という言葉に対して、不安の正体を明らかにし、具体的な資金計画まで落とし込めるか。

「いろいろ物件を見たい」
という要望に対して、何を比較し、何を基準に判断するのかを整理できるか。

こうした部分に、営業マンの力量が表れると思います。

 

もちろん、お客様の気持ちに寄り添うことは大切です。

しかし、

「そうですよね」
「確かに不安ですよね」
「もう少しいろいろ見てみましょうか」

と共感するだけでは、問題は解決しません。

 

営業マンに求められるのは、共感したうえで、さらに一歩踏み込むことです。

「不安な部分は何か教えてください」
「何が分かれば判断できそうですか?」
「この問題について、一緒に整理してみませんか?」

と、お客様自身が考えを整理できるように働きかける。

 

私は、こうした営業ができることこそ、不動産売買仲介において継続的に成果を出すための重要な要素だと考えています。

 

購入意思が高いお客様ほどヒアリングを省略してはいけない

購入意思が高いからといって必ず契約できるわけではない

では、購入意思が高いお客様であれば、そこまでヒアリングする必要はないのでしょうか。

私は、まったくそうは思いません。

むしろ、購入意思が高いお客様だからこそ、ヒアリングや確認を省略してはいけないと考えています。

 

例えば、

  • 購入する理由も明確
  • 予算も決まっている
  • エリアも決まっている
  • 半年以内には購入する予定

というお客様がいたとします。

このようなお客様に対して、

「もう購入する気持ちは固まっているから、あとは物件を紹介するだけでいい」

と考えてしまうのは危険です。

なぜなら、購入意思が高いお客様ほど、積極的に物件を探している可能性があるからです。

 

他社にも問い合わせているかもしれません。
すでに別の物件を気に入っているかもしれません。
他社の営業マンから、さまざまな提案を受けているかもしれません。

つまり、購入意思が高いことと、自社で購入していただけることは別問題なのです。

 

すでに決まっていることも改めて確認する

例えば、お客様が、

「予算は5,000万円以内で考えています」

と話したとします。

このとき、

「分かりました。では5,000万円以内の物件をご紹介します」

で終わらせてはいけません。

・なぜ5,000万円なのでしょうか?
・住宅ローンの返済額から逆算した金額なのか?
・それとも、何となく設定した予算なのか?
・すでに金融機関で事前審査を受けているのか?

こうした背景を確認する必要があります。

 

購入時期についても同じです。

「半年以内に購入したい」

のであれば、

・なぜ半年なのか?
・今日、希望条件に合う物件が見つかったら決断できるのか?
・半年後まで待つ必要がある理由は何なのか?

すでに購入意思が高いお客様に対しても、こうした確認は欠かせません。

もちろん、同じ質問を何度も繰り返せばよいという話ではありません。

例えば、

「念のため、確認させていただきたいのですが……」
「すでにお考えはまとまっていると思いますが、改めて一つ確認させてください」

という形で、確認する理由を伝えながら話を進めればよいのです。

 

お客様がすでに決めていることを、営業マン自身も正しく理解しているとは限りません。

だからこそ、購入意思が高いお客様に対しても、改めて確認することが必要なのです。

 

なぜ「物件は最後」なのか?

購入を決断できる状態に必要な7つの条件

では、最終的にどのような状態になれば、お客様は購入を決断できるのでしょうか。

私は、大きく分けて次の7つの項目が整理されていることが重要だと考えています。

① 購入動機
なぜ住宅を購入するのかが明確になっている

② 資金計画
購入予算や住宅ローンの返済に無理がない

③ 家族・第三者
家族全員が賛成しており、第三者の意見による迷いも整理されている

④ 他社比較
他社物件との比較が整理され、自社で購入を検討する理由が明確になっている

⑤ 購入時期
なぜ今購入するのかが明確になっている

⑥ 購入エリア
希望エリアと、条件に合う物件がない場合の代替案が明確

⑦ 物件選択
何を基準に最終的な物件を選ぶのかが明確になっている

もちろん、すべてのお客様がこの7つだけで判断できるわけではありません。

ただし、これらの項目が整理されていれば、住宅購入に対する大きな迷いは少なくなっているはずです。

営業マンは、一つずつ「大丈夫」という判断を積み上げながら、お客様が購入を決断できる状態をつくっていく必要があります。

 

迷いが整理されれば最後は物件を選ぶだけになる

私は、営業研修の中で繰り返し「物件は最後」という話をしています。

これは、物件の魅力が重要ではないという意味ではありません。

もちろん、最終的に購入するのは物件ですから、物件そのものの魅力や条件は重要です。

ただし、物件の魅力だけで住宅購入の意思決定が成立するわけではありません。

 

例えば、資金計画に不安があるお客様に、どれだけ魅力的な物件を紹介しても、住宅ローンへの不安は解消されません。

家族の合意が得られていなければ、どれだけ良い物件でも、最終的に購入できない可能性があります。

購入時期が定まっていなければ、
「良い物件ですけど、まだ早いので……」
となってしまうかもしれません。

 

反対に、

✅住宅を購入する理由が明確になっている
✅資金計画も問題ない
✅家族も賛成している
✅今購入する理由も明確になっている
✅希望するエリアも定まっている
✅他社物件との比較も整理できている

このような状態であれば、残るのは現在市場にある物件の中から、最適なものを選ぶことです。

 

もちろん、最後の物件選びでも迷うことはあるでしょう。

A物件にするのか、B物件にするのか。

しかし、その段階で迷っているのは、住宅を購入するかどうかではなく、どの物件を購入するかという問題です。

そして、購入の判断基準が明確になっていれば、物件同士を比較し、最終的な判断ができるようになります。

 

だからこそ、私は「物件は最後」だと考えています。

物件を見せることが営業の目的ではありません。

お客様が住宅購入に対して抱えている迷いを整理し、購入を決断できる状態をつくることが重要なのです。

 

まとめ|購入意思の高低を見極めた後、何をするかが重要

改めて、最初の質問に戻りましょう。

購入意思の高いお客様と、低いお客様はどのように見極めればよいのでしょうか?

私の考える一つの判断基準は、「住宅購入に対する迷いの数が多いか、少ないか」です。

購入意思が高いお客様は、購入する理由や時期、予算、エリアなどが明確で、迷いが少ない傾向があります。

反対に、購入意思が低いお客様は、迷い・不安・疑念が多く、購入に必要な判断が十分に整理されていない可能性があります。

 

しかし、重要なのは購入意思の高低を見極めるだけで終わらないことです。

購入意思が低いお客様には、何に迷っているのかを明らかにし、一つずつ判断できる状態をつくっていく。

購入意思が高いお客様には、すでに決まっていることも改めて確認し、残っている迷いや判断基準を明確にしていく。

どちらのお客様に対しても、営業マンがやるべきことは共通しています。

お客様が判断できていないことを、一緒に判断できるようにしていくことです。

何が不安なのか。
何が分かれば判断できるのか。
どのような条件が整えば、購入を決断できるのか。

そこまで踏み込んで、お客様と一緒に考えていく。

そして、一つずつ「これなら大丈夫」という判断を積み上げていく。

 

住宅購入を相談されるお客様の多くは、少なからずマイホームへの憧れや、実現したい暮らしを持っているはずです。

しかし、現実にはお金や仕事、家族のことなど、さまざまな迷いや不安が生まれます。

だからこそ、営業マンがその気持ちに向き合い、夢を具体的な購入計画へ落とし込んでいく必要があるのです。

 

購入意思が高いお客様を見つけることだけが、営業マンの仕事ではありません。

お客様の迷いに一つずつ白黒をつけ、判断基準を明確にし、購入を決断できる状態へ導いていく。

私は、それが不動産売買仲介営業に求められる重要な役割の一つだと考えています。

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