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「誰のために買うのか」が見えた瞬間、お客様の意思は強くなる【不動産売買仲介営業】

#セールス#不動産仲介#営業#意思決定

不動産売買仲介の研修をしていると、営業マンからこんな相談を受けます。

「お客様が決めきれません。」
「何回案内しても、前に進みません。」
「『もう少し考えます』と言われてしまいます。」

でも、私は思うんです。

本当にお客様は優柔不断なのでしょうか。
本当に「決断できない人」なのでしょうか。

もしかすると、その人はまだ、

“何のために家を買うのか”が見えていないだけかもしれません。


家を買う理由は、実は2種類しかない。

「購入動機」

営業ではよく出てくる言葉です。

でも、この購入動機をもう少し深く考えると、大きく2つに分けられると私は思っています。

それは、

  • 自分のため
  • 誰かのため

です。


「自分のため」の購入動機

例えば、

「ずっとマイホームが欲しかった。」
「広い家に住みたい。」
「賃貸の家賃がもったいない。」
「自分の資産を持ちたい。」

これらはすべて、自分のための購入動機です。
もちろん、これが悪いことではありません。
むしろ自然なことです。

誰だって、

「こうなりたい」
「こんな暮らしがしたい」

という願望は持っています。
でも、ここには一つ特徴があります。

それは、

自分のための動機は揺らぎやすい。

ということです。


人は、自分のためだけでは弱くなる。

「失敗したくない。」
「損したくない。」
「後悔したくない。」
「本当にこれでいいのかな。」

自分のためだからこそ、迷いも生まれます。

本当に欲しい。でも怖い。
本当に買いたい。
でも決断できない。

だから、
「もう少し考えます。」
になる。

これは決して意志が弱いわけではありません。
人間として自然な反応です。


「誰かのため」は、人の動機を強くする。

では、こんなケースはどうでしょう。

「高齢の母が団地の3階に住んでいる。
階段の上り下りが大変になってきた。
だから、一緒に住める家を探している。」

これは誰のためでしょうか。
母親のためです。

「今、離婚調停中で、子供と安心して暮らせる場所を作りたい。」

これは誰のためでしょうか。子供のためです。

「妻に、もっと安心して子育てしてほしい。」

これは誰のためでしょうか。奥様のためです。

人間って不思議なんです。

自分のためだと迷う。
でも、誰かのためになると強くなるのです。


親は、自分の命すら差し出そうとする。

極端な話かもしれません。

でも、たとえば
難病の子供を救うために募金活動をする親。
災害現場で誰かを助けようとする人。

これって、
「自分が目立ちたいから」
「有名になりたい、英雄になりたいから」
ではないですよね。

誰かのためなんです。

誰かのためなら、自分の限界をも超えて動ける。

人間には、そういう側面があります。
これは不動産購入時の動機でも同じことが言えるのです。


購入動機で最も強いのは「誰かのため」。

営業研修の中で、私は購入動機を何度も確認します。

でも、最終的に話が前に進むお客様は、結局ここに戻ってくるんです。

「子供のため。」
「奥さんのため。」
「親のため。」
「家族のため。」

もちろん、

「家族のため」

で終わらせてもいいのです。

しかし、さらに深掘りすると、
もっと強い軸が見えてきます。


家族のため。でも、本当は誰のため?

例えば、

夫婦と子供2人の4人家族。
この場合、一体、誰のために家を買うのでしょうか。

「家族みんなのため。」
確かにそうです。

でも、
4人が25%ずつ同じ比率の割合で、
重要な割合を占めているでしょうか。

私は25%ずつではないと思うんです。

例えば、

  • 一番家にいる時間が長いのは奥様かもしれません。
  • 学区を変えたくない長男かもしれません。
  • 静かな環境が必要な次男かもしれません。
  • 祖母の介護が必要なのかもしれません。

だとすると、
その人のために買う家なのかもしれない。


誰のためなのか。

ここが見えた瞬間、

家探しの軸が固まるんです。
「誰のため」が見えた瞬間、優先順位が決まるのです。


「何のため」が決まると、全部が決まる。

予算。
エリア。
間取り。
築年数。
駅距離。

全部、その目的から逆算されます。

母親の足が悪い。

階段が少ないことが重要。

エレベーター付きマンション or 平屋 or 1階

子供のため。

学区優先。

多少駅から遠くてもいい。

奥様のため。

生活動線。スーパー。
保育園送迎。実家との距離。周辺治安。

全部、目的から決まるんです。


単身者はどうするのか?

ここで疑問が出ます。

「独身の人は?」
「一人暮らしの人は?」

誰かのためにはならないです。
この場合、別の軸を使います。

それは「時間軸をずらす」です。

「今の自分」ではなく、
「未来の自分」に置き換えるのです。

65歳。70歳。80歳。
その時、自分はどうなっていたいのか?

そこから逆算します。

今の家賃8万円。年間96万円。
30年間払えば約3,000万円。
誰の資産にもならない。

もし、同じ金額を住宅ローンに充てていたら。
30年後、どうなっているでしょうか。

  • 住み替えもできる。
  • 売却もできる。
  • 住み続けてもいい。
  • 資産としても残る。

未来の自分のため。
ここに軸を置くんです。


「今」だけを見ると、人は動けない。

「家賃がもったいない。」
「今の家が狭い。」
「隣がうるさい。」

動機としてはこれも大事です。

でも、全部「今」の話なんです。
だから弱い。

本当に見るべきなのは、そのままの未来です。

購入意思がある前提で見た時に

このまま購入できずに5年経ったら。
このまま悩み続けて10年経ったら。

お客様はどうなっているでしょうか?

  • ずっと家を探している。
  • 家賃を払い続けている。
  • 決められない自分のまま。
  • 夢を叶えられていない。

その未来、本当に望んでいるのでしょうか。

営業マンとしては、この点は真摯に向き合う必要がありそうです。


人は「痛みを避け、快楽を求める」。

人間の行動には原理原則があります。

それは、

人は痛みを避けて、快楽を求める。

という人間行動心理の鉄則です。


購入動機も同じです。

この人にとっての痛みは何か?
この人にとっての快楽は何か?

そこに向き合ってみると良いでしょう。

痛み、すなわち苦痛や心理的負荷は何かというと

決められない苦しみ。
家賃を払い続ける苦しみ。
狭い家で暮らす苦しみ。
親を助けられない苦しみ。
子供に苦痛を感じさせる苦しみ。

一方で快楽、すなわち喜びは何か。

理想の家に住める喜び。
子供の笑顔。
安心した親の暮らし。
奥様の負担軽減。
決断できた自分への誇り。

この未来の違いが見えた時、お客様は動き始めます。


営業マンの仕事は、「誰のため」を見つけること。

だから私は思います。

不動産売買仲介営業マンの仕事は、
どこまで行っても物件を紹介することではない。
住宅ローンを説明することでもない。
条件整理をすることでもない。

「何のために買うのか。」
「誰のために買うのか。」

これを一緒に見つけることなんです。

予算設定も。
事前審査も。
条件整理も。

全て、その目的を叶えるための手段です。

目的がない手段は、ただの作業になります。

でも、目的が見えた瞬間、
それはお客様にとって意味のある行動になります。


最後に

ここまでを踏まえると
お客様は、家が欲しいわけではないのかもしれません。

本当に欲しいのは、
その家の先にある未来です。

親に安心して暮らしてほしい。
子供に良い環境を与えたい。
夫婦で穏やかに暮らしたい。
老後の不安を減らしたい。

だからこそ、
営業マンは追求しなければいけません。

「何のために買うのか?」
「誰のために買うのか?」

そして、
もしその答えが見つかったなら、
その人の購入動機は、
きっと今までよりずっと強くなる。

家を買うという意思は、
単なる「欲しい」から、「この未来を叶えたい」へ変わる。

私は、そう思っています。

この記事の著者

関根 祐太

株式会社Re-Branding 代表取締役
不動産 売買仲介営業 専門/研修講師
 
不動産をはじめ10業種以上の営業現場経験を経て、2023年に株式会社Re-Brandingを設立。1on1などを通して社員一人ひとりの本音や課題に向き合い、組織力を強化する支援を行う。離職率40%削減や売上140%向上といった成果を創出。
 
【専門分野】
不動産売買仲介/離職防止と組織力強化/営業プロセス改善
  
「一人ひとりの本音に向き合い、課題の本質を共に探り、解決へ導く」ことを信条に、企業の未来を共に形作るパートナーとして活動中。

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