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報連相の効果的な実践方法:営業成績を上げるコミュニケーション術

#報連相#教育#研修

営業活動において、報連相(報告・連絡・相談)は業務を円滑に進めるために欠かせないスキルです。しかし、ただ報告するだけではなく、効果的な方法で上司に状況を伝えることが求められます。

本記事では、不動産の営業マンを例に、現場で直面するさまざまなシーンを想定し、的確な報連相を行うためのテンプレートとコツを詳しく解説します。ビジネスコミュニケーションを強化し、営業成績を向上させるための必読ガイドです。

 

報連相の基本概念

 

まずは、「報告」「連絡」「相談」のそれぞれの意味と役割について理解しましょう。報連相は、チーム内での情報共有や意思決定を円滑に進めるために欠かせないコミュニケーション手法です。

報告

  • 定義: 現在の状況や結果を上長に伝え、次の行動計画を共有する
  • 目的: 上長が現場の進捗を把握し、必要に応じて追加の指示を出せるようにする。
  • 使用場面: 案内が順調に進んでいる場合や、次のステップに移る前に現状を確認する際。

連絡

  • 定義: 進捗や重要事項をタイムリーに共有し、全員が同じ情報を持てるようにする
  • 目的: チーム全体の認識を統一し、無駄なトラブルを防ぐ。
  • 使用場面: 物件案内中の細かな変更や、急な予定変更時など。

相談

  • 定義: 問題解決や意思決定を上長に仰ぎ、最適な対応策を見つけるために具体的な状況を伝え、アドバイスを求める
  • 目的: 上長の経験や知識を活かして、最適な対応策を迅速に見つける。
  • 使用場面: お客様がネガティブな反応を示した場合や、自分だけで解決が難しい場面に直面したとき。

混同されがちな「報告」「連絡」「相談」ですが、その違いを理解しておくことが、まずは大切です。

 

「報告」と「連絡」の特徴と違い

「報告」と「連絡」は、どちらも情報を共有する手段ですが、その目的と使用する場面に違いがあります。このセクションでは、「報告」と「連絡」の違いを具体的に解説し、それぞれの例を示します。

報告とは

繰り返しになりますが、報告の目的は上長が現場の状況を把握し、必要に応じて次の指示や確認を行えるようにする為です。物件案内が終わった後や、次の物件に向かう前など、または業務が一区切りついたタイミングで報告を行うのが一般的です。

: 「1件目の物件案内が終わり、これから2件目に向かいます。お客様は1件目の物件の外観を気に入っておられましたが、駐車場が1台しかない点を懸念されています。2件目では、駐車場が2台確保できることを強調しようと思います。何か追加の指示があればお願いします。」

このような例になるでしょう。

報告について噛み砕いて言うと、「もしも、この現状で抜け落ちている点や、私が見落としている点があれば、ご教示いただきたい」という趣旨になります。営業マン本人は基本的に問題なく営業が進んでいると感じている中で、見落としを防ぐために第三者として視点を借りる、とも言えるかもしれません。

 

具体例: 次へ向かう報告

  1. 報告の要件を伝えるフレーズ:「お疲れ様です。1件目の案内についてご報告です。」
     
  2. 状況説明: 「只今、1件目の物件案内が終わり、これから2件目に向かいます。」
     
  3. 相手の反応や様子: 「お客様は外観と間取りを気に入っておられましたが、駐車場が1台しかない点と、リフォームが必要な部分が気になるとおっしゃっています。」
     
  4. 次の行動計画: 「これから2件目の物件に向かいますが、こちらは駐車場が2台確保できる点と、新築物件でリフォームの必要がないことを強調しようと考えています。」
     
  5. 確認: 「以上が現状のご報告です。何か追加でご指示があれば教えてください。特に無ければ、2件目に向かいます。」
     
  6. 指示を受けた後の確認: (指示があれば)「承知しました。では、その点を踏まえて案内いたします。ありがとうございます。」
    (指示が特に無ければ)「ありがとうございます。では、引き続きご案内を進めます。」

このように明確にセクションに分けた報告であれば、1〜2分で完了することができるでしょう。

 

連絡とは

連絡の目的は、チーム全体が同じ情報を共有し、全員の認識を統一するために行います。予定の変更や進捗の遅れなど、チームメンバーの業務に影響を与える可能性がある情報が発生した時などに即座に行います。変更点や重要事項を迅速に伝えることで、チーム内での混乱やトラブルを防ぐ為です

「そんなこと聞いてないよ!」ということを防ぎ、円滑な業務遂行を促すのが連絡です。

連絡の具体例

例1:「本日1組目のご案内時間が、予定よりも1時間早く終了し、14時頃、帰社予定になります。」

例2:「取引業者から、物件の引き渡し日程を変更したいという連絡がありました。調整が必要なため、今後のスケジュールに影響が出る可能性があります。詳細が分かり次第、改めてお知らせします。」

例3:「お客様から、契約内容に関するクレームがあり、特に手数料に関する誤解が生じているようです。現在、原因を確認し、対応策を検討しています。」

連絡を受けた上長の返答は、基本的には「了解しました」のみの返答になるでしょう。または「了解しました。〜〜に関してはどうなっていますか?」という確認が入る事が一般的でしょう。

上長からすると、「連絡」は、今起きた状況に対しての共有がなされたという認識であり、その連絡を受けて今後起こるであろう事柄に対して備えます。

 

報告と連絡の違いまとめ

報告は、上長に対して現在の状況や結果を伝え、次の行動について確認や指示を受けるためのものです。上長との個別のやり取りが中心であり、指示やフィードバックを得ることが目的です。

連絡は、チーム全体が共有すべき情報を速やかに伝え、全員が同じ情報を持って業務を進められるようにするためのものです。チーム全体の認識を統一し、スムーズな連携を促すことが目的です。

それぞれの役割を理解し、適切に使い分けることで、業務の効率が向上し、チーム全体が一丸となって目標に向かって進めるようになります。

 

相談のテンプレート

現場でお客様がネガティブな反応を示した際には、適切な対応をし、できる限り次なる営業機会へ結びつけて行きたいものですが、自分ではどうしたら良いか分からないことも多々あるものです。

その際に、上長へ相談し的確なアドバイスを得るための具体的なテンプレートを紹介します。

具体例: お客様が「検討したい」と言い始めた場合

  1. 相談の要件を伝えるフレーズ:「すみません、少しご相談したいことがございます。」
      
  2. 状況説明: 「お客様が1件目の物件を気に入っておられる様子ですが、『もう少し検討したい』とおっしゃっています。」
     
  3. 背景説明: 「お客様は初めての物件購入で、特に価格の面で不安を感じているようです。また、ご家族との相談が必要だとおっしゃっています。」
     
  4. 相談内容: 「このような場合、今後どのように対応すれば良いでしょうか?別の物件を提案すべきか、後日フォローすべきかご意見をいただけますか?」
     
  5. 選択肢提示: 「A案として、もう少し安価な物件を提案するか、B案としては、今日の案内をここで終えて後日フォローの連絡をするか、どちらが良いでしょうか?」
     
  6. 指示を受けた後の確認: 「承知しました。では、そのようにご提案させていただきます。ありがとうございます。」

 

具体例: お客様が「今日は帰りたい」と言った場合

  1. 相談の要件を伝えるフレーズ:「すみません、少しご相談したいことがございます。」
      
  2. 状況説明: 「お客様が本日はもう帰りたいとおっしゃっています。」
     
  3. 背景説明: 「お客様は物件に興味を持っていただいていますが、情報が多く、少し頭を整理したいとのことです。」
     
  4. 相談内容: 「このような場合、今日は案内を切り上げて後日フォローする方が良いでしょうか?それとも、何か他にアプローチすべきことがあるでしょうか?」
     
  5. 選択肢提示: 「A案として、今日の案内をここで終えて後日フォローするか、B案として、もう少しお客様と会話を続けて、確認すべき点がないか探るか、どちらが良いでしょうか?」
     
  6. 指示を受けた後の確認: 「わかりました。では、お客様には本日はこれで終了とお伝えし、明日フォローのご連絡をさせていただきます。ありがとうございます。」
     

相談時のポイント解説と注意

テンプレートごとに、なぜこのフローが効果的なのか、どのような点に注意すべきかを解説します。また、よくあるミスや注意点についても触れておきましょう。

  • 状況説明: 簡潔に行い、上長がすぐに状況を把握できるようにします。
     
  • 背景説明: 特に相談の場合、背景説明が重要です。お客様の心理状態や反応の理由を詳しく伝えることで、上長がより適切なアドバイスを提供できます。
     
  • 相談内容・選択肢提示: 相談する際は、自分なりの考えや選択肢を提示することで、上長が判断しやすくなります。
     
  • 次の行動計画: 報告の場合、次に何をするかを明確に伝えることで、上長の確認をスムーズに行います。

報連相でよくあるミスと注意点

背景説明が不足している
上長が「なぜ、それが問題なのか?」「それはどういうことですか?」と聞き返された場合は、背景説明が不足していることが多いです。お客様の心理状態やこれまでのやり取りをしっかり伝えましょう。

具体性の欠如
特に相談時、漠然とした質問ではなく、具体的な選択肢や悩みを提示することが大切です。

確認を怠る
指示を受けた後、内容が理解できなければ必ず確認し、その指示をどう実行するかを再確認することで、誤解やミスを防ぎます。曖昧な理解のまま実行すると、不要なミスを招く可能性が高まりますから、注意しましょう。

以上は、報連相でよくあるミスですので、同じミスを犯さぬように意識しておきましょう。

 

営業活動において、報連相(報告・連絡・相談)はスムーズな業務進行とチームの成功に不可欠です。適切なタイミングでの報告、全員が同じ情報を共有するための連絡、そして課題解決のための相談は、全てが重要な要素です。

この記事で紹介したポイントと注意点を活用し、効果的な報連相を実践することで、業務の効率化と顧客満足度の向上を目指しましょう。成功への道は、日々の積み重ねと確実なコミュニケーションから築かれます。このガイドブックを参考に、現場での報連相を的確に行い、上長からのサポートを最大限に活用しましょう。

この記事の著者

関根 悠太

株式会社Re-Branding 代表取締役
営業コンサルタント/社外1on1研修トレーナー /ブランディングマネージャー
「AIでは代替できない言語化の力」で、中小企業の離職率改善と売上拡大を支援する専門家
 
大学中退後、10業種以上の現場経験を経て、培った実践力と課題解決力を武器に2023年に株式会社Re-Brandingを設立。「社長と社員の翻訳機」として、経営者のビジョンを明確に言語化し、社員一人ひとりの本音や課題を引き出し、双方の橋渡しをする役割を担っている。特に、営業改善と組織力強化を通じて企業の成長を加速させる支援を行う。
 
主な実績:
・離職率を40%削減し、採用育成コストを年間2000万円削減
・営業改革により売上140%向上を達成
・セミナー販売成約率70%超、クライアントが国際的な大会でグランプリを獲得
 
専門分野:
離職防止と組織力強化・営業プロセスの改善・言語化を通じた企業ブランディングと課題解決
 
「一人ひとりの本音に向き合い、課題の本質を共に探り解決へ導く」独自のアプローチで、クライアント企業の成長を支援中。

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