業務連絡は何のためにするのか?【不動産売買 仲介営業】
不動産営業を始めたばかりの頃、
「逐一、連絡しろ」「途中で一回電話入れろ」
そんなふうに言われた経験がある人もいるかもしれません。
でも正直、最初は業務連絡で何を話したら、何を聞いたら良いか分からない….
・何を伝えればいいのか
・いつ連絡すればいいのか
・そもそも、何のためにやるのか
今日は、そんな業務連絡について、現場でよくあるズレを整理してみたいと思います。
「決まったことを報告するもの」だと思っていた

新人の頃、行連をどう捉えていたかを聞くと、多くの人がこう答えます。
「案内で決まった内容について報告するもの」
「物件条件が固まったら上に連絡するもの」
この認識は、間違いではありません。
でも、これだけだと現場ではうまく回らないことが多いです。
なぜかというと、新人のうちはそもそも、物件条件の決め方や、進め方が分からなければ、何を持って決まったのかが分からない状態だからです。
決まってから連絡しようとすると、遅くなる
よくあるのがこのパターン。
・お客様との話の中でまだ決まっていない
・だから、上司にはまだ電話しない
・もう少し整理してからにしよう
・もう1件、物件を見てから
そうやっているうちに、お客様とお会いしてから2〜3時間が経ってしまう。
ようやく電話した頃には、
「もうそろそろ、お客様は帰る時間です」
「色々と条件が固まってきまして、こんな感じで探す感じです」
という様子。
ところが、この報告を受けた上司からすると、
「いやいや、まず1件目の物件でお客様の反応はどうだったの?」
「その段階で電話くれてたら、こっちの進め方があったよね?」
「そこまでの状態になってしまったら、もう巻き返すのは難しいよね。」
となる可能性も否めません。
ここで起きているのは、
「自分は良かれと思って進めていたけど
実は、経験ある上司・先輩から見たら、ズレた進め方をしていて、取り返しのつかない状態になっていた」
ということです。
逆に「とりあえず電話」も意味がない
では、何も決まってなくても電話すればいいのか。
というと、これも少し違うでしょう。
「とりあえず、1時間経ったので電話しました」
「特に決まってませんが、一応連絡です」
これだと、電話すること自体が目的になってしまいます。
上司も、
「で、こっちは何を判断してアドバイスすればいいの?」
となってしまいます。
よって、改めて、業務連絡は何のためにするのか?を明確にしておくことは必要です。
業務連絡の目的は2つ

ここで一度、立ち返っておきたいのが業務連絡の本来の目的であり、その目的は大きく2つです。
① 営業プロセスがズレていないかを確認するため
新人営業マンは、基本的に上手くいかない事だらけです。
自分の頭で考えたとて、百戦錬磨の上司・先輩からすると、「まだまだ」と見えます。
その状態ですから、自分なりに「これでいいだろう」と思って進めていると、営業プロセスのどこかで、何かしらのアプローチにズレが生じている可能性は高いです。
・お客様に合った物件案内の進め方
・懸念や問題に対する対処法
・先に起こるかもしれないトラブルの防ぎ方
など、これらを全て最初から分かる人はいないでしょう。
そうすると、暗中模索の中で、現場で営業を進めていくことがほとんどです。
だからこそ、何かしら決まる前の段階で、
「今、こういう状況なんですが、この進め方で合ってますか?」
「この場合、次の展開としては、どのように進めると良いですか?」
と、上司に確認することが大切です。
ズレが小さいうちなら、修正も容易です。
② 自分では気づけない「見落とし」を補うため
もう一つの目的は、自分一人では気づけない見落としを、上司・先輩の経験で補うことです。
新人のうちは、目の前のお客様との会話を進めるだけでも精一杯です。
そのため、自分では順調に進んでいるつもりでも、経験者からすると
「そこは確認しておいた方がいい」
「その話は今のうちにしておかないと後で問題になる」
と見えることがあります。
たとえば、
・住宅ローンで確認しておくべきこと
・購入時期から逆算して先に進めるべきこと
・ご家族など、意思決定に関わる人への確認
・物件を決める前に解消しておくべき懸念点
などです。
これらは、知らなければ、そもそも確認しようとも思えません。
だからこそ業務連絡では、今起きていることを報告するだけではなく、
「他に確認しておくことはありますか?」
「この後、起こりそうな問題はありますか?」
と確認する。
自分の知識と経験だけでは見えない部分を、経験者の視点を借りて補うことも、業務連絡の大切な目的です。
業務連絡で必要な2つの力

業務連絡という機会を活かして、より成果を挙げるためには、以下の2つの力が必要です。
① 状況を、的確に伝える力
上司は、基本的に会社内にいたり別現場に居るでしょう。即ち、あなたの営業現場そのものをリアルタイムで見ていません。
ですから
・ダラダラ長く話す
・伝える情報が散らかる
これだと、上司は何も判断できません。
短くていいのです。完璧でなくてもいいのです。
ただ、「今、何が起きているか」を的確に捉え、これが上司に伝わることが必要です。
状況を的確に伝え、あとは判断を仰ぎ、アドバイスを受けましょう。
② 何を聞きたいのかを明確にする力
ここが抜けている業務連絡は何の成果も生まない不毛な時間になります。
今の状況だけ伝えて「以上です」で終わってしまう。
しかし、新人ならば本当は、
・何に困っているのか
・何を確認したいのか
・何が分からないのか
・次にどうすれば良いのか
などの疑問や確認事項が、必ずあるはずです。
それをしっかり言葉にして確認・報告すること。
「この返答であっていますか?」
「次、この順番で進めて問題ないですか?」
これがあるだけで、行連の質は一気に変わります。
業務連絡が遅れると、取り返しがつかなくなる

業務連絡のタイミングが遅れると、
・進め方のズレに気づけない
・現場で迷う
・失客する
・怒られる
・行連が怖くなる
このループに入りやすいのです。
その結果、上司からすると目的や意図から外れた営業・案内になっているため、帰社後に上司から指導を受けるケースが増えていきます。
そして、いつしか
「業務連絡=怒られるもの」
という歪んだ認識になってしまう営業マンも少なくありません。
しかし本来は逆で、お客様を叶えたい未来へお導きするためのものであり、営業マンとして成果を上げるためのものなので、業務連絡は、自分もお客様も、守るためのものであるハズです。
業務連絡は遠慮しなくていい
「でも、課長はいつも忙しそうだから、こんなことを聞くために電話するのは申し訳ない」
そう思う気持ちも分かります。
しかし、上司の立場で考えると、部下が売れること、営業数字が上がることが一番の成果であり、喜びのハズです。
上司である自分の忙しさを気にするがあまり、部下から連絡を遠慮され、チームの成果が上がらない方が、上司としては、よほど困ります。
連絡が来ないことで誤った進め方で展開し、結果として、失注・・・
これは、上司としては最も避けなければいけない事態です。
もし、取り込み中で電話に出られなければ、他の上司が出る。
チームとして、基本的にそうなっているはずですから遠慮せずに電話しましょう。
お客様の前で抜けるなら、先に一言添える

一点だけ注意が必要なのは、ここです。
営業において、業務連絡すること自体は大事ですが、物件の案内中にお客様から見て「何回も席を外す営業」は不安になります。
だからこそ、
・新人なので、分からないことはすぐ確認する
・その場で正確にご案内したい、説明したい
こうした理由を先に伝えておくことが大事です。
前もって伝えればお客様にとって「説明」になります。
しかし、後からだと「言い訳」として受け取られかねません。
これが人間心理であり、本当に大事なポイントです。
1年目の営業力は、業務連絡の質で決まる
少し極端かもしれませんが
不動産仲介の営業力=業務連絡の質
と言っても過言ではないと思っています。
なぜなら、今の自分は新人だとしても、何十年も現場で戦ってきた人の視点を、その場で借りられるからです。
新人でまだ何も分からない場合、この先人の経験値を借りない手、使わない手はないはずです。
業務連絡は、自分の営業を前に進めるための手段です。
この前提が揃うだけで、現場の見え方は、かなり変わってきます。

