あの日のプレゼンは大失敗だった・・・
ある1人の女性と出会うまでは・・・
「やってしまった…」
あの日、20名程がいるセミナー会場で、私はプレゼンターとして立っていた。
人生初のセールスプレゼンテーション。
「ミス無いように完璧にやらないと…」
心の底から怖かった。
脇にも額にも、変な汗。
その場に立っていることの不安と恐怖。その日に至るまでの悔しさと喜び。
様々な感情が自分の意志に反して込み上げて来て、会場のど真ん中で、泣き崩れながら話す姿を晒してしまった。
「さすがに、泣いちゃダメだよ…」
バックヤードで落胆の眼差しと共に、そう言われた。
もちろん、1件も申込にはならなかった。
「やってしまった…」
少しは出来るだろうと思っていたが、自分の不甲斐なさに…失望した…
全く味がしないビール
失意のどん底で迎えた懇親会。全く味がしないビール…
その時、ある1人の女性が私に声をかけてきた。
「私、ひとの幸せを喜べないんです…。」
最初は意味が分からなかった。
「何があったのですか? 僕で良かったら話を聞かせてください。」
もう、自分のボロボロの姿を見せてしまった後だ。
自分が隠すことも、カッコつけることも、何も無い。
ただ、話しかけてくれたことが嬉しかった。
話を聞くと、その女性は、女性としてとても辛く、重く、かけがえのない想いが絶たれてしまった直後。絶望の最中で必死に光を探しているような、そんな様子だった。
「なぜ、僕に話したのだろう・・・」
話は聞いたものの、自分に何が出来るのか、全く分からなかった。
名刺交換をして、彼女の話を聞くことしか出来なかった。
翌日、私の手は完全に止まった
翌日、その彼女にお礼メールを送った。お礼だけはお伝えしたかった。
返信が来ることは期待していなかったが、その届いた返信を読んで、私は驚いた。
メールをありがとうございます。
こちらこそ、私の不躾な質問にも誠実にお応えいただきましたこと、大変感謝しています。関根さんのお話しを聞かせていただき、私もとても共感し、「負けたくない!」と強く思うようになりました。 昨日から一晩考えてましたが、このプログラムへ参加しようと思います。
率直に嬉しかった。
あのボロボロだったプレゼンが、誰かの心に届いていたことが。
「輝く姿」と「決意」
それから2年後。
彼女は女性起業家として、誰もが知る上場企業と取引を開始するなど、当時とは全く違う姿で活躍している。
表彰式で100人の前に立ち、大きな拍手を浴びる彼女の姿はとても輝いて見えた。
その姿が見れたことが、心から嬉しかった。
あの日、誰にも伝わらなかった。誰も買ってくれなかった。
白い目で見られた、鼻で笑われた。
だけど、
「泣いてボロボロになろうと、たった一人にだけでも、伝われば良い。」
そう実感した。
そして、決めた。
自分が伝えることによって、誰かが輝く姿を後押しできるのであれば、鼻で笑われても、恥を忍んででも、輝く姿を後押しする存在になる。
「伝える力だけは誰にも負けないようになろう」と。
これが…Re-Brandingの営業コンサルティングの原点